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サーベイヤーズ21講座

第10講

2010年7月27日

<<第10講>>旧法におけるGPS観測方程式
 
展開法と投影法
 
旧測量法第11条における距離及び面積の基準面は「水平面」でしたが、改正測量法では「回転楕円体面」に改定されました。
水平面というのはジオイドを楕円体面にみたてた面です。楕円体に対するジオイドの凸凹の位置誤差への影響は、200年ほど昔から研究がされてきています。例えば、ストークス積分によるジオイド高の決定(1849)は研究成果の一つです。わが国では、熱海(1933)による天文ジオイド決定の研究があります。
こうした研究があったものの、回転楕円体(準拠楕円体)面上で処理できる投影法の実現までにいたらず、旧測量法で定めたように、観測値はジオイド面に展開される「展開法」処理が行われてきました。結局わが国では、投影法の処理は、21世紀までその実現を待たなければなりませんでした。
 
旧法におけるGPS測量の観測方程式
 
日本測地系3次元直交座標軸とGPS測量の重心系座標軸は、実用的には平行と仮定して処理されています。日本測地系の準拠楕円体は、GPS測量の重心系準拠楕円体と約東西12秒及び南北12秒の偏りがあり、合計:√(122+122)=17秒の傾きがあります。 
 
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GPS測量の3次元網平均に使う観測方程式は、旧公共測量作業規程で次式のように定められていました。 
 
 10-03.png
 
ここに、(ξ,η)は、調査地域の平均的な鉛直線偏差の南北及び東西成分であり未知数です。α及びsはそれぞれ網の水平方向の微小回転及び伸縮率で未知数です。このように旧法では、未知数(ξ,η)を導入して、GPS観測値をジオイド面へ展開していました。
なお、旧測量法時に、日本のジオイド96を使ってジオイド高と標高から楕円体高を求めて処理する場合は、左図に示す日本測地系準拠楕円体上での処理となっていました。こうして得られた3次元網平均結果は何らかの方法で、得られた座標をジオイド面に変換させなければなりませんでした。