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準天頂衛星「みちびき」

GPS補完信号提供開始

2011年7月14日

6/22に準天頂衛星「みちびき」初号機のアラートフラグが外されましたが、対象はL1-C/AとL2-Cのみでした。本日JAXAより残りのL1-CとL5のアラートフラグも外されたと発表がありました。これで「みちびき」のGPS補完信号は全て提供開始となりました。

そういば、午前中にJAXA準天頂衛星システムプロジェクトから[IS-QZSS 1.4版]ドラフトの案内(※IS-QZSS MTに参加した人に来るメールです)が届いていましたが、メールには何も書いていなかったですね。まだ1.4のドラフトには目を通していないのですが、ご紹介できるような話題があれはIS-QZSS絡みで書いてみたいと思います。

先ほどまで、SPAC様とQZSR受信機の試作機を使って銀座で歩行による技術試験を行っていました。途中でQZSR受信機のうち1台が調子が悪くなってしまい、mode04とmode01の同時間での比較データが残念ながら取れなかったので、modeを変えて2回同じルートを歩いてみました。

さすが銀座でした。ビルの谷間のコースではマルチパスの影響をモロに受けてしまい、どちらも良いとは言えないデータでした。しかしmode04では100%QZSを使った測位(L1SAIF 75%,L1 C/A 25%)が出来ており、天頂付近に配置された特徴がしっかりでていました。QZSR受信機も現在マルチパス対策を進めているらしいので、次の試作機に期待です。

QZS Prove Toolで出力されるのは「NMEA」なので、これをツール等を利用してkmlにして、をGoogle Earthで表示する方もいるのではないでしょうか。しかし、普通の方法では上手く行かない事があります。kmlに変換する多くのツールはnmeaのGGAセンテンスを変換しています。しかしGGAはGPSで測位したものであるため、QZSのL1 C/A補完を利用した場合、GNSセンテンスに出力され、GGAセンテンスは出力されません。つまり測位モードの選択時にQZS L1C/Aをチェックして測位したデータをそのままツールでkmlに変換するとQZSでの補完測位した測位結果が欠落することになります。
このような時にGoogle Earthに正しく表示できるように、データの加工する必要があります。以下その手順です。

※この方法は、GNSセンテンスを出力している場合に限ります。

1.まず加工用に、nmeaファイルをコピーしてください。(オリジナルデータを保存しておく)
2.ファイルの拡張子をcsvに変更する。
3.excelで開き、1列目を[$GPGGA]でフィルター処理して、GGAのセンテンスのみ表示する。
4.GGAセンテンスの行を全て削除し、保存する。
5.ファイル内一括の「置換」機能のあるテキストエディター等でGGAセンテンスを削除したnmeaを開き、以下の変換を行う。
5.1 [$GPGNS]→[$GPGGA]
5.2[$GNGNS]→[$GPGGA]
5.3[DN]→[1]
5.4[AN]→[1]
6.置換後、ファイルを保存し拡張子をnmeaに戻す。
これで、kml変換ツールで変換すれば、補完された情報もちゃんと出力されます。

※注意事項としては、GNSセンテンスが保存され始めるのはGGAセンテンスより若干遅いため、測位時にはGNSセンテンスが出力し始めてから記録を始める事です。また、最初のGGAを削除する目的は、これを残しておくと、補完を利用していない場所は2点ずつ登録されてしまいます。QZS Prove ToolでGGAを出力しないという方法もありますが、L1SAIFの利用状況等が確認できなくなります。

また、BT等を利用してシリアル出力でリアルタイムでGoogle Earthに出力する場合は、QZS Prove Toolの設定で「GNSをGGAで出力する」をチェックし、シリアル出力のGGAを切っておくという方法もあります。

QZSR技術試験(歩行)

2011年7月 1日

昨晩QZSRの最新バージョンを利用した技術試験を行いました。QZS Prove Toolも現在改良中の最新版を使い、前回は車載であったためあまり出来なかった、新機能の動作確認も合わせて行う事が出来ました。
技術実証の内容は以下の通りです。
歩行による技術実証
場所:名古屋市北区大曽根周辺を約25分間、設定したルートを歩行
時間:19:00開始/20:30開始の2回実施
観測方法:ボードの上に2台のPDA+QZSRを設置し実施。
a:QZSRβⅡ改 mode01:GPS only
b:QZSR最新版 mode04:GPS+QZS+L1SAIF

結果は、m級の位置精度を実感とまではいきませんが(静止ではないので、仕方が無いです。)、かなりQZSの効果を実感できるものとなりました。商店街やマンションの建ち並ぶ通りなど、厳しいところをルートとして選んで行っているため、GPS単独で数十mズレてしまうような場所も多々あったのですが、QZSを利用する事でそのズレは数m〜1m程度に収まっており、特に「みちびき」が80°以上に配置された20:30からの計測では、歩道から大きく外れていない軌跡で計測されていました。

また今回静止の安定の仕方も見ていたのですがmode4のものは、測位可能になってから1分少々でDRMSが0.1を程度まで下がり測位の安定性もかなり良くなっているようです。(GPSのみのモノは衛星配置が悪かったためか、同じタイミングでDRMSは2.0以上あり、その後も落ち着かず結局1.0を切った時点で移動を開始しました)

今回は2回の計測とも、十分にマン・ナビに使えそうと感じる内容でしたが、さらに調整を進めていくとの事ですので、民間利用実証が再開が待ち遠しいです。