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準天頂衛星「みちびき」

東日本大震災地殻推定パラメータ(アイサン暫定版)を5月中旬より公開しているが、このパラメータを利用した杭探索機能(=目標地点探索)を搭載したQZS Prove Tool(L1SAIF利用実証用アプリケーション)の開発が最近アップした。このシステムにより、震災前の既知の座標値を元に、現在の電子基準点の移動量から作成した推定パラメータを適用する事で、震災後(現在)の位置座標を推定し、簡易的に高精度測位可能なL1SAIFを利用して、目的とする杭を探すためのガイドが可能になります。被災地での実際の利用テストにはまだ至ってはいませんが、パラメータ作成、座標変換、QZSR受信機による測位、杭探索機能と当社既存の技術を組み合わせたものであり、利用実証参加者のなかで興味を持たれている方には提供していきたいと考えています。特殊な機能という事もあり使い方等含めたフォローもQZSとは違うポイントもあるため、一度SPACを通じてアナウンスさせていただき、是非試してみたい方は個別に対応をさせていただければと思います。

今までも何度か話は登場していたL1SAIF利用実証用アプリケーションを、改めてここでどういったものか紹介してみたいと思います。

今回の利用実証では専用の受信機QZSRを利用する必要があり、この受信機はHP社のPDAでのみ動作確認されています。従って利用実証用のアプリケーションもPDAで動作する必要があります。当社はもととも測量のが偉業用にPDAアプリケーションを扱っている事もあり、様々な基本ライブラリを開発していることから、これらを利用する事で今回の専用アプリケーションを開発しています。ちなみにアプリケーション名は今回は利用者のレベルが様々なので、誰でもわかりやすくという事で、ベタに「QZS Prove Tool」と名付けさせていただきました。

このツールは基本的にデータコレクターとしての範囲にとどめています。QZSRで受信した測位情報をNMEAや平面直角座標でファイルに保存するのが主な機能となっています。
また表示部には、実際にQZSR受信機から送られてくるデータの内容(NMEA形式のGGAやGNS等々それぞれのデータタイプ毎)のリアルタイム表示機能と同時に、受信機から取得したスカイプロット、緯度経度から平面直角系座標に変換した座標プロットの表示ができるようになっています。
また、利用実証の目的によって、L1SAIFやQZS L1 C/Aの利用状態を切り替えや、IMESの利用設定などが出来るため、利用実証者に公開されたQZSR受信機の利用設定は全て出来るようになっています。
測量分野でない方が多いため、極力スタートボタンを押したら衛星測位が始まって、記録ボタンを押したらデータの保存を始める。といったシンプルな操作感を目指しながら、外での利用時に視認しやすいレイアウトを心がけて作成してる。シンプルな機能であるため操作の問い合せはほとんどないが、色々な利用実証を繰り返しているうちに、QZSR受信機の特性も含めもっと利用者に表現力を持って状態を伝える仕掛けが必要であると感じており、夏に予定されているQZSR受信機に合わせて、インフォメーション機能の強化を図る予定です。

ところで、利用実証に無償提供しているQZS Prove Toolはbasicと読んでおり、名前の通り基礎部分の機能となっています。これをベースにした、杭探査機能、また最近当社で公開している震災地域のATパラメータを利用した座標変換機能付き杭探査機能、またはMMSで作成した高精度位置情報付き画像を背景にしたナビ機能等、定点観測用の機能等が個別に追加された利用実証目的に合わせた専用ツールの開発も行っている。
もともと拡張機能を前提にシステム設計しているため、それなりにご提案できると思いますので、何かあればお声かけいただければと思います。

測位航法学会

2011年5月26日

本日測位航法学会より理事会でアイサンテクノロジーの法人会員が承認されたと連絡をいただきました。測位航法学会には最新の衛星測位の研究成果が集まっており、準天頂衛星の情報だけではなく、次世代の衛星測位システムを知るためには有益な情報が多くあります。これらの研究成果や情報にインスパイアされ、どのように社会に貢献できるシステムやサービスを提供できるのかが私たちにとっては重要な課題となります。

今後は公開可能な範囲とはなりますが、これらの情報も積極的に含めた発信が出来ればと思いますので、よろしくお願いいたします。

QZSRの検索の順番

2011年5月25日

利用実証参画者からQZSR受信機でのIMESの受信に時間がかかるとの問題指摘を受け、IMESに関して最も良く知っている測位衛星技術株式会社(GNSS)にSPACに同行して伺いました。GNSS社でもQZSR受信機の利用実証をしており、色々調べた結果検索の順番に課題があるのではという指摘がされました。つまりGPS/QZSの検索を行ってからIMESの検索を行うため、GPS/QZSの検索時間がIMESの検索にプラスされてしまい、結果IMESが受信可能になるまでに1分近くかかっていると想定できるとの事でした。つまりIMESファーストで検索すればこの問題は解決するのではないのかと。実際のロジックに関しては作成元の仕様を確認しないと行けないのですが、納得できる説明だと思います。反面IMESファーストにした場合、これから実装されるTTFF等への影響もあるため一概にIMESファーストともいかないのではという疑問もあり、IMES優先等の切り替えが必要となる可能性もあります。TTFFに関しては現在公開されているAPIでは十分な対応が出来ない事は指摘済みであり、今後協議を進めていくこととなっていますので、このIMESの取扱に関してもしっかり検討を行い民間利用実証参画者が混乱する事無く目的とする利用実証を進められるよう対応をしていく必要性を感じています。

先週は「みちびき」の民間利用実証参画者に向けの調整会議がSPAC主催のもと行われました。各参加機関が実際に利用実証を開始してから始めての会議という事もあり、幾つかの利用実証の紹介と同時に、利用実証を経て明らかになった幾つかの考慮すべき点に関しても説明があり、参画者が自分たちの利用実証を進める上でヒントになったのではないかと思います。私も基本的に毎週SPACで利用実証の検討会に参加させていただいていますが、受信機の特性も含め、マルチパスや拘束に関しての情報が参加者によって知識もまばらであり、この情報共有は参加者が安心して目的の利用実証を行うためには必要な事を強く感じています。

QZSSからの補正信号は、衛星位置、時計、対流圏、電離層の誤差を補正するものであり、マルチパスを補正するものではありません。その為ビル街等でGPS測位自身がマルチパスを強く受けている状況下では、QZSSで行う補正以上の誤差が生じるため、効果を識別する事が困難です。利用実証ということでなるべく実際の利用シーンに近い状況で実施する事が大切ですが、補正情報の効果として評価するためには、どのようなリファレンスで評価するのかという事が大切になるため、まずはオープンスカイで一度評価し、利用シーンでは複数の観測機材で、GPSのみ、GPS+L1SAIF等を同時観測して評価するのが良いと思います。

さて、調整会議では今後のスケジュールも発表になりました。準天頂衛星初号機「みちびき」は今から数ヶ月日本上空には夜間に配置されてしまします。また現在L1SAIFの受信機の最終版のリリースも含め、8月後半までは一時中断となります。(この機関でも要望があれば対応していただけるようです。)

また、利用実証のアプリ提供側として、今回の調整会議でも簡単に説明させていただきましたが、アプリ自身も今までの報告を受けより民間利用実証参画者が、わかりやすく、迷わず利用実証を実施できるように幾つか強化させていただく予定です。もちろんQZSR受信機の最終版に搭載されるTTFF等の機能対をも進めていきます。また、今後利用実証参加者の中で特別な要検討ある場合には、無償というわけにはいきませんが出来る限り対応できるようにしますので、何かあればお声かけいただければと思います。

宇宙開発中感本部専門調査委員会の下にある「準天頂衛星開発利用検討WG」(専門家WG)より準天頂衛星に関する検討状況がSPACのフォーラムで報告されました。この報告には注目すべきポイントがいくつかあるので、ご紹介したいと思います。

■災害時の情報提供・安否確認等災害対応能力の向上
東日本震災を経て大きく震災時の宇宙セグメントのあり方が問われており、その一つの回答でしょうか。もともと準天頂衛星は単なる測位衛星ではなく、ショートメッセージを利用した災害情報の配信等の機能が検討されていましたが、アップリンク機能(補正情報を配信するためにアップリンク機能があるため、準天頂衛星は双方向通信が可能)を利用した災害情報の収集、安否確認等かなり多様な利活用が検討されています。

■宇宙セグメントのシステム構成
日経等でも7機体制の話題が載ったりしていましたが、現在は7機体制のA案と4〜5機体制のB案が存在しています。A案は持続測位可能なシステム(QZSSのみで測位可能なシステム)、B案は持続測位不可能なシステムとなっています。社会インフラに対する国際貢献と、他国依存からの回避という準天頂衛星の目的の一つもある持続測位性が、コストとのトレードオフの状態になっているようです。

■費用負担の問題
7機構成の場合、全系(宇宙セグメント・地上セグメント合わせて)で2,300億と資産されています。この費用をどのように圧縮するかは重要なポイントの一つで、他のミッションとの相乗りやスペック見直し、同時発注等々の策が検討されています。なかでも注目すべきは民間活力(PFIの活用)でしょう。つまり高精度な補強機能(いわゆるLEX)や秘匿、暗号化機能は事業化可能なので、民による負担で実施しようというものです。民間活力の利用で活性化するならとても良い方向ではないかと思います。ただ、そうすると地理院LEXの立場は微妙なところですね。

■体制
現在の準天頂衛星は文科省、経産省、総務省、国交省の4省が主体となっていますが、今後に向けて複数の利用省庁が共同で開発・整備・運用を行うのは意思決定が遅くなり適切でないと判断しているようです。またある一省庁が行うのも政府全体の共通インフラという位置づけから、内閣府が一元的に開発・整備・運用を行うのが適切であると結んでいます。

東日本震災の影響からも費用算出が厳しい事を踏まえながらも、早い段階で結論付け、平成24年度の予算要求に向けて大きく動いているようです。

 

鈴木教授のご講演を始めて拝聴したのは一昨年のシステム展(G空間EXPOの前身)でした。QZSSの国際的な意義を示されており、非常に大きなインパクトを受けた講演だったと記憶しています。今回のSPACフォーラムで久しぶりに鈴木教授のご講演を拝聴出来るという事で楽しみにしていたのですが、ご多忙な方ですので録音での講演となってしまいました。

いつもは衛星測位という視点から私たちはQZSSを見る事が多いのですが、国家戦略としてQZSSはどのようなモノなのかを、鈴木教授のご講演内容を元に、今一度ひもといてみたいと思います。

【位置情報のスタンダードって】

今までは米国のGPSが位置情報のスタンダードでしたが、露国、欧州、中国、印度、日本と様々な国が「測位主権」の確保に向けて進んでいます。この背景には技術的不具合や政治的問題から、各国は独自の衛星測位システムを構築し始めています。測位サービスが乱立する中、相互の共存性、共有性が求められマルチGNSS時代に突入していく今は過渡期となっています。そのためマルチGNSSに向けて、各々のスタンダードをグローバル・スタンダードにするという各国は思惑をもって競争をしています。

さて、何故「測位主権」の確立が必要なのでしょう。測位信号は社会的インフラとしての位置づけからも政治的に管理されます。つまり公共財であり、維持管理することは主権国家の義務と考えられているからです。

【QZSS】

QZSSには今までも書いてきたように測位信号の「補完」と「補強」があります。この他にも最近では、双方向通信による緊急通信ネットワークや、秘匿信号等が検討され始めています。先日の東日本震災のように地上系のシステムが利用不能な状況では宇宙システムを有効に利用する事で、災害情報の共有をはじめとしたさまざまなサービスが可能ではないかと考えられているようです。地殻変動調査だけではなく安否確認や通信のサービス、時刻サービスを行う等、いままでの測位衛星以上の多角的な機能が検討されています。

【課題】

まだまだ予算を巡る問題、推進体制の問題等もあるようですが、このあたりは宇宙戦略本部の宇宙開発戦略専門委員会で準天頂衛星システムの事業化計画の中間報告が出ていますので、改めて踏み込んで書かさせていただきたいと思います。

 

今日は、SPACの第9回衛星測位と地理空間情報フォーラムに参加させていただきました。

準天頂衛星「みちびき」が打ち上がり、利用実証か始まって最初のフォーラムという事もあり、コンテンツは非常に豊富でした。細々した内容は追々このブログでご紹介していきたいと思いますので、本日はダイジェスト的にいくつかご紹介します。

【宇宙開発戦略本部からの準天頂衛星システムの検討に関する中間報告】

・災害時の情報提供・安否確認等災害対応能力の向上機能の追加が検討されている。:我が国独自の測位衛星としての活用の幅が広がることは非常に良い事だと思います。QZSにはアップリンクという双方向通信の機能もありますので、より多角的な利用の出来る測位衛星になるといいですね。

・打ち上げの構成に関してかなり具体的な検討が進められている。:どうしても莫大な費用を必要とするため、費用負担も含め慎重に協議がされているようでした。

【柴崎教授@東大 東日本大震災における地理空間情報技術の貢献】

正直久しぶりに柴崎教授の講演を聞かさせていただきました。はっきりした物言いは簡潔で伝わりやすく、いろいろな問題定義をされていました。これら課題を一つでも解決できるように、しっかりと取り組んでいく必要がある事を強く感じる内容でした。

【寺田PM@JAXA 「みちびき」の運用状況】

順調に進んでいるようで、6月にもアラートフラグが解除される事を期待しています。またQZ-tecもコンテンツが豊富で公開が楽しみです。

この他にもSPAC様から民間利用実証の進捗報告、また日立造船、ソフトバンクからの利用実証報告等があり、かなり高密度な内容でした。

私事ですが、懇親会の際に「ブログ見ています」と言われて、ちょっとプレッシャーも感じています。ネタはいっぱいありますので、言えるものから順にご紹介していきますので、今後ともよろしくお願いします。

今日はQZSが久しぶりに朝夕の挨拶以外の「つぶやき」をしていました。

JAXAのページを参照すると都市部での測位改善のレポートがアップされています。都市部をMMSで走行してアベイラビリティの確認をしたようです。ご興味あるかたは、こちらのURLをご参照ください。

http://www.jaxa.jp/projects/sat/qzss/index_j.html

QZSSのTwitterは基本挨拶ですが、色々な情報をつぶやくので、最新情報の収集には必要なツールの一つですね。

GW前になりますが、測位航法学会全国大会が開催されました。

研究発表会の午後よりは準天頂衛星に関するものが中心であり、打ち上げ後様々な技術検証、利用検証が進んでいる事を感じる内容となりました。

当社は直接この研究発表で報告をしてはいないですが、防衛大学を始め様々な研究機関の方がアイサンテクノロジーのツールをご紹介していただけたり、データ検証にアイサンテクノロジーの協力をお話していただいたりで、この場をかりて、お礼申し上げます。

来週にはSPACのフォーラム、そして民間利用実証の調整会議と続きますので、今回の航法学会の件もふまえて今後情報発信を行っていく予定です。

急募!!

2011年5月11日

非常にご無沙汰しております。

ここ最近は具体的な開発案件も多くなってきており、なかなか時間が取れない状況でした。

そこで、GPS/QZSのアプリケーション開発をやってみたい方を急募したいと思います。

測位精度の向上や、時間短縮にはまだまだ研究開発が必要ですし、また空間情報の活用は新しいジャンルのアプリケーションがどんどん生まれており、常に刺激的な分野です。

是非是非ご興味ある方は応募してください。応募方法は当社HPの応募要項をご覧ください。