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準天頂衛星「みちびき」

ナビゲーションや、測量以外にも様々な分野で衛星測位が利用されており、これら利用に向けた技術の紹介と抱える課題提起の講演も数多くあった。

「モニタリングでの利用」:地滑りや地番沈下、構造物管理をGPS測位を利用してモニタリングする試みである。従来手法に対しGPS利用は自動計測が可能/荒天夜間でも計測可能/三次元計測が可能等々のメリットから利用が始まっている。

「建設機械での利用」:建設機械のトータル的な保守サービスの他、情報か施工で利用する事で省人化、安全性の向上、施工精度の向上等に期待されている。

「圃場での利用」:農熟練者でないと圃場でトラクターを直線に走らせる事も難しいため、ガイドすることで業務を支援する仕組み。

これら利用に於いて共通的に、機械のコスト問題/技術判断を必要とする(誰でも利用できるレベルとは言い難い)/精度や測位可能時間等々の課題を抱えており、準天頂衛星の利用で、これらのうち幾つかは解決できるのでは無いかと期待が高まっているようでした。

「GNSS気象学とQZSSへの期待」

衛星測位の精度を劣化させるパラメータの一つに大気圏遅延と呼ばれるものがある。大気圏中の水蒸気や電離層の影響で測位精度が劣化するのだ。測量等の高精度測位の場合、日本各地に設置された基地点である電子基準点の網を利用し補正パラメータを作成し、精度の劣化を防いでいる。つまりこれらの仕組みを利用する事で気象予報に必要な大気圏の状態を取得できると言うのだ。ここ数年大きな被害を及ぼすゲリラ豪雨などは、現在の離散的格子点では十分な精度が無く表現できないそうだが、GNSSの高精度化により、空間的にも時間的にも整合性の高い気象情報を取得することが可能になるという。また衛星を利用するため海洋等の大気情報も取得できる等大きな期待が寄せられている。測位の世界では精度劣化する困った大気圏遅延が情報化されることで、このような分野で活用されているとは、驚きである。

昨年度創設された測位航法学会主催のGPS/GNSSシンポジウムが11/4より3日間に渡り東京海洋大学で開催されている。仕事の都合上全日の参加はできなかったが、本日5日の午後より私もこのシンポジウムに参加をしている。シンポジウムでは、GPS測位の研究成果や、応用利用を始め、GNSSの将来について国内外から多くの官学産の研究者の発表行われている。QZSSやGNSSに関する者が多く、多くの分野でのQZSS利用への期待が高まっている気運を非常に感じるシンポジウムとなっている。あまりにも多くのコンテンツがあるので、何回かに分けて私の参加した講演のうち幾つかを取り上げて紹介していきたいと思う。

10/29内閣官房宇宙開発戦略本部事務局より当社にヒアリング要請があり、「みちびき」民間利用実証を始めとした準天頂衛星に関する当社の取組み、測量業界、また空間情報の活用に対する期待等のご説明をする機会をいただきました。

宇宙開発戦略本部は、地理空間情報活用推進基本法のちょうど1年後にあたる平成20年5月に成立した宇宙基本法に基づき内閣官房に設置された戦略本部となります。準天頂衛星「みちびき」は地理空間情報基本計画とも深く関与していますが、宇宙基本計画に基づき計画実施されるプロジェクトとなっており、今回は準天頂衛星に関する民意として、当社を指名していただきました。参事官、企画官と約1時間半におよび熱のある話し合いができ、こちらの考えを伝えると同時に官側の取組みのモチベーションの高さを感じる事ができ、改め準天頂衛星の活用に向けたさらなる推進の必要性を強く感じております。