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道路地図作成装置、道路地図作成方法、及びナビゲーションシステム(特許第5749359号)

要約

【課題】
道路地図ひいてはナビゲーションの精度をより確実に向上させる。

【解決手段】
移動体に搭載され、移動体が道路に沿って移動することに伴いその道路の地図を生成する道路地図生成装置は、移動体の現在位置の座標を検出する検出手段と、検出手段により検出される座標の集合(以下、座標群と称する)に基き、その座標群の近似線を算出する近似手段と、道路の設計仕様を表す情報である道路仕様情報を取得する取得手段と、近似線が道路仕様情報により表わされる設計仕様に適合するか否かを判定する判定手段と、を備え、近似手段は、判定手段により近似線が設計仕様に適合しないと判定されると、近似線を設計仕様に適合するように補正し、近似手段により算出される近似線に基き道路地図を生成する。

発明の詳細な説明

【技術分野】

【0 0 0 1 】
本発明は、ナビゲーションシステム等の運転支援システムに利用される道路地図を作成する装置及び方法、並びにナビゲーションシステムに関する。


【背景技術】

【0 0 0 2 】
走行中の車両の位置情報に基いて経路案内を行うシステムとして、G P S ( G l o b al  P o s i t i o n i n g  S y s t e m : 全地球測位システム) を利用するナビゲーションシステムが知られている。G P S とは、地球的衛星測位システム( G N S S : G lo b a l  N a v i g a t i o n  S a t e l l i t e  S y s t e m ) の1 つであり、複数( 3 0 機) の衛星で構成される測位システムである。


【0 0 0 3 】
特許文献1 には、そのようなナビゲーションシステムにおいて利用されることを想定した電子化道路地図を作成する方法について開示されている。特許文献1 では、従来の電子化道路地図において道路の軌跡が全てノードとリンクとによって近似されるために誤差が大きいことを課題としている。そして、道路の軌跡を、直線、クロソイド曲線、及び円弧を用いて近似させることが提案されている。


【0 0 0 4 】
また、特許文献2 では、車両の現在位置をより高精度に算出する技術について提案されている。具体的には、特許文献2 では、直線、円弧、及びクロソイド曲線の線分によって近似された道路図形を記憶するとともに、車両の走行距離も記憶し、基準位置からその走行距離分だけ道路図形上の軌跡を進むことによって車両の現在位置を算出することが提案されている。


【先行技術文献】

【特許文献】

【0 0 0 5 】
【特許文献1 】特開平9 - 1 8 5 3 3 2 号公報
【特許文献2 】特開2 0 0 8 - 2 3 2 6 3 0 号公報


【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0 0 0 6 】
特許文献1 では、既存の道路地図が取り込まれてその道路地図に含まれる道路がドットパターンデータに変換され、得られたドットパターンから、直線、クロソイド曲線、及び円弧の何れかの近似線が形成されて電子化道路地図が作成される。このため、取り込み対象の道路地図自体の精度や変換精度によっては、電子化道路地図の精度に問題が生じ得る。換言すれば、電子化道路地図が実際の道路により近い高精度な地図になり得るか否かについては疑問が残る。


【0 0 0 7 】
また、特許文献2 では、車両の現在位置は、道路図形とその車両の走行距離とから推測されるようになっており、場合によっては誤差が大きくなることも懸念される。例えば、車線変更が頻繁になされると走行距離は大きくなる傾向にあり、車両の実際の現在位置と推測される現在位置との間の誤差が大きくなる可能性がある。


【0 0 0 8 】
また、民間利用されているG P S の精度は、9 5 % 以上の確率で、正確な緯度経度から1 0 m 以内の座標が得られる、という程度の精度である。換言すれば、G P S による測位データのうち、5 % 程度は1 0 m 以上の誤差を含み得る。なお、このような大きな誤差の原因としては、ノイズや、G P S 信号の多重反射が考えられる。


【0 0 0 9 】
G P S の精度に関しては、今後、準天頂衛星の運用が開始されることにより改善されることが見込まれてはいる。準天頂衛星とは、地球を周回する周期が地球の自転周期と等しくなる軌道のうち、特定の一地域( この場合、日本近辺の地域) の上空に長時間とどまる軌道をとる衛星である。なお、準天頂衛星を利用した測位システムは、地域的衛星測位システム( R N S S : R e g i o n a l  N a v i g a t i o n  S a t e l l i t e  Sy s t e m ) と呼ばれる。


【0 0 1 0 】
しかしながら、R N S S においても、ノイズや多重反射の問題を完全に排除することはできず、測位誤差は生じ得る。 このような測位誤差に対しては、近年、マップマッチングの技術が進歩している。マップマッチングとは、ナビゲーションシステムにおける機能の1 つであり、G P S を利用して算出した現在位置( 現在の緯度、経度) の誤差を、道路地図を用いて補正する機能である。しかしながら、道路地図の精度が低いとマッチングが適切になされずに補正が有効に機能しない、といった問題も指摘されている。


【0 0 1 1 】
本発明は、上記のような点に鑑みなされたものであり、道路地図及びナビゲーションの精度をより向上させることを目的とする。


【課題を解決するための手段】

【0 0 1 2 】
上記課題を解決するためになされた第1 局面の本願発明は、移動体に搭載され、前記移動体が道路に沿って移動することに伴いその道路の地図を生成する道路地図生成装置であって、 前記移動体の現在位置の座標を所定時間毎に検出する検出手段と、 前記検出手段により検出される座標の集合( 以下、座標群と称する) に基き、前記移動体の移動軌跡の近似線を算出する近似手段と、 前記近似手段により算出された近似線に基づき道路地図を生成する生成手段と、を備えた道路地図生成装置において、 前記近似線が前記道路の設計仕様に適合するか否かを判定する判定手段と、 前記判定手段により前記近似線が前記設計仕様に適合しないと判定されると、前記近似線を前記設計仕様に適合するように補正する補正手段と、を備え、 前記生成手段は、前記近似手段により算出された近似線が前記補正手段により補正されると、前記補正手段により補正された近似線を用いて前記道路地図を生成する ことを特徴とする道路地図生成装置である。


【0 0 1 3 】
このような本願発明によれば、道路上を移動する移動体の実際の移動経路に沿って道路地図が生成され得る。このため、移動体が実際の道路上を移動する限り、実際の道路に沿ったより正確な道路地図が生成され得る。


【0 0 1 4 】
なお、道路は、政府機関によって制定される道路構造令( 道路の安全性・円滑性を確保する観点から、最低限確保すべき一般的技術的基準を定めた法令) によって、設計仕様(又は施工基準) が定められている。即ち、道路は、道路構造令に適合するように作られている。


【0 0 1 5 】
本願発明では、道路が道路構造令に適合するように作られていることを前提に、近似手段によって算出される近似線が道路の設計仕様( 道路構造令) に適合するか否かが判定手段により判定されるように構成されている。適合しないと判定し得る場合、近似手段によって算出された近似線が実際の道路の経路形状に適合していないと推測し得る。近似線が実際の道路の経路形状に適合しない理由としては、検出手段により検出された座標が誤差を含むこと、近似線を算出する過程において何らかの異常( 例えば、演算ミス等) が発生したことなどが考えられる。


【0 0 1 6 】
このような場合、本願発明では、補正手段が、近似線が道路の設計仕様に適合するように補正する。これにより、その近似線が実際の道路の経路形状に合致し得る。なお、近似線を設計仕様に適合するように補正する、とは、ここでは、近似線が設計仕様によって規定される数値範囲の幅の範囲内におさまるようにするための補正量のうち最小の補正量でもってその近似線を補正する、という趣旨であっても良い。


【0 0 1 7 】
このような本願発明によれば、移動体の実際の移動経路及び道路の設計仕様の両方に基き道路が生成され得るため、前述のように実際の道路に沿ったより正確な道路地図が生成され得る。


【0 0 1 8 】
また、本願発明では、近似線が道路の設計仕様( 道路構造令) に適合するか否かを判定するために、近似線( 道路地図) が、設計仕様( 道路構造令) に規定される要素毎のデータ( 以下、要素データと称する) を有する形式のデータとして生成されることが好ましい。換言すれば、近似線( 道路地図) を表すデータは、設計仕様( 道路構造令) に規定される要素データの集合の形式であることが好ましい。設計仕様( 道路構造令) に規定される要素としては、道路幅( 拡幅) 、曲率、勾配等、種々のものがある。


【0 0 1 9 】
近似線( 道路地図) を表すデータが要素データの集合の形式である場合、従来のノードデータとリンクデータとから構成されるデータ形式の場合と比較して、データの容量を10 0 分の1 程度にまで低減し得ることが判明している。これによれば、道路地図を記憶する記憶装置を設ける場合にその記憶装置のリソース( 資源) を節約し得る。また、道路地図を用いた処理負荷を大幅に低減し得る。この場合、特にナビゲーションシステムにおいて有利である。ナビゲーションシステムにおける利点については後述する。


【0 0 2 0 】
また、本願発明は、 前記座標群を蓄積して記憶する記憶手段を備え、 前記近似手段は、前記近似線を算出した後、前記記憶手段に前記座標群が新たに蓄積されたと判断すると、その判断の際に前記記憶手段に記憶されている座標群に基づき再度近似線を算出するように構成されても良い。


【0 0 2 1 】
このような本願発明によれば、近似線の基準となる母集団( 座標群) の数が増加していくため、近似線の精度が向上し得るとともに、座標群が新たに蓄積されると近似線が再度算出されてその再度算出された精度のより高い近似線に基き道路地図が更新され得るため、道路地図の精度を適切に向上させることができる。


【0 0 2 2 】
また、本願発明は、 前記検出手段により検出された前記車両の現在位置の座標が所定値以上の誤差を含むか否かを判定する異常判定手段を備え、 前記近似手段は、前記座標群のうち、前記異常判定手段により前記所定値以上の誤差を含むと判定された座標を除いて、前記近似線を算出するように構成されても良い。


【0 0 2 3 】
このような本願発明によれば、座標群のうち所定値以上の誤差を含む座標が近似線の算出に用いられることを回避することができる。よって、実際の道路の形状と整合しない近似線が算出されてしまうことを抑制することができる。なお、民間利用されているG P Sでは、現状( 本願出願時) 、検出される座標のうち5 % 程度は1 0 m 以上の誤差を含み得る。本願発明では、例えば、1 0 m 以上の誤差を含む座標については近似線の算出に用いないようにしても良い。なお、誤差については、既知のフィルタ処理により検出及び除外し得る。


【0 0 2 4 】
また、本願発明は、 前記設計仕様により、前記道路は、直線、所定の曲率半径を有する円弧、及び前記直線と前記円弧とを接続するクロソイド曲線により表されるように規定され、 前記近似手段は、前記移動軌跡のうち、前記直線の部分である直線部、及び前記円弧の部分である円弧部を最小二乗法により算出し、前記クロソイド曲線の部分であるクロソイド曲線部を、そのクロソイド曲線部に接続する直線部の近似線及び円弧部の近似線に基づき算出するように構成されても良い。


【0 0 2 5 】
ここで、最小二乗法は、複数の測定値を、適当なモデルから想定される一次関数、対数曲線等の特定の関数を用いて近似する場合に、想定する関数が測定値に対して適切な近似となるように残差の二乗和を最小とするような係数を決定することで近似を行う手法である。


【0 0 2 6 】
クロソイド曲線は、車両が一定速度で走行している状況下において所定の回転速度でハンドルを回転させた場合に得られる車両の走行軌跡に該当し得る曲線であり、道路のカーブの設計に取り入れられている。換言すれば、クロソイド曲線は、直線部と円弧部とを滑らかに接続する緩和曲線部に用いられている。


【0 0 2 7 】
本願発明によれば、直線部及び円弧部については最小二乗法により算出しつつ、クロソイド曲線部については上述のようなクロソイド曲線の定義に基き、直線部及び円弧部から算出( 近似) するようにしている。これによれば、クロソイド曲線部を算出( 近似) する処理負荷を低減し得る。


【0 0 2 8 】
具体的には、本願発明は、 前記近似手段は、 前記直線部及び前記円弧部を、横軸に長さlをとり、縦軸に1 / r ( ただし、r は、円弧部を含む円の中心からの距離とする) をとったグラフ上に変換して描画し、該グラフ上にて、前記直線部に相当する線分の端点及び前記円弧部に相当する線分の端点を算出して、その2 つの端点を接続する直線を描画する描画手段を備え、 前記描画手段により前記グラフ上に描画された前記直線を、X Y 座標軸のグラフ上に変換して、該X Y 座標軸のグラフ上における変換後の線分を、前記クロソイド曲線部の近似線として算出するように構成されても良い。


【0 0 2 9 】
ここで、横軸に長さlをとり縦軸に1 / r をとったグラフを演算用グラフと称する。まず、円弧部は円の一部であるから、その円弧部のどの部分においても( 換言すればl の値によらず) 、円弧部( 円) の中心からの距離は一定である。換言すれば、円弧部については、l の値によらず1 / r の値は一定となる。このため、円弧部は、演算用グラフ上では横軸に平行( 縦軸に垂直) な線分で表される。


【0 0 3 0 】
直線部については、その直線部の位置に応じて( l に応じて) 、1 / r は小さくなるか大きくなるかの何れかとなり、演算用グラフ上においては漸次線にて表される。 そして、クロソイド曲線は、演算用グラフ上においては横軸の変数( l ) に比例する比例式で表されることが分かっている。演算用グラフにおいて、直線部と円弧部とを直線(横軸の変数に比例する比例式で表され得る直線) で結ぶことによって、直線部と円弧部との間のクロソイド曲線部に相当する線分を演算用グラフ上に描画することができる。そして、その演算用グラフ上にて描画した線分( 直線部と円弧部とを結ぶ線分) を2 次元のXY 座標軸のグラフ上に変換すれば、クロソイド曲線部が得られる。


【0 0 3 1 】
このようにして、演算用グラフ上にて直線部と円弧部とを結ぶ線分( 直線) を描画するという簡易な処理を介して、直線部と円弧部とを接続するクロソイド曲線部を算出( 近似) し得る。


【0 0 3 2 】
このように、本願発明は直線部と円弧部とにより簡便にクロソイド曲線部を算出( 近似) し得るように構成されており、クロソイド曲線部の算出( 近似) の処理負荷、ひいては道路地図の作成の処理負荷を抑えることができる。しかも、クロソイド曲線が演算用グラフ上にて比例式で表され得るという特性を利用してクロソイド曲線部を高い精度で算出(近似) し得る。


【0 0 3 3 】
また、第2 局面の本願発明は、道路の地図を生成する道路地図生成方法であって、 移動体の現在位置の座標を所定時間毎に検出する検出ステップと、 前記検出ステップにより検出される座標の集合( 以下、座標群と称する) に基き、前記移動体の移動軌跡の近似線を算出する近似ステップと、 前記近似ステップにより算出された近似線に基づき道路地図を生成する生成ステップと、を備えた道路地図生成方法において、 前記近似線が前記道路の設計仕様に適合するか否かを判定する判定ステップと、 前記判定ステップにより前記近似線が前記設計仕様に適合しないと判定すると、前記近似線を前記設計仕様に適合するように補正する補正ステップと、を備え、 前記生成ステップは、前記近似ステップにより算出された近似線が前記補正ステップにより補正されると、前記補正ステップにより補正された近似線を用いて前記道路地図を生成することを特徴とする道路地図生成方法である。


【0 0 3 4 】
このような本願発明によれば、道路地図生成装置について説明したとおりの効果を同様に得ることができる。 また、第3 局面の本願発明は、車両の搭乗者に対し経路案内を行うナビゲーションシステムであって、 前記車両に搭載され、前記車両が道路に沿って移動することに伴いその道路の地図を生成する道路地図生成装置として、 前記車両の現在位置の座標を所定時間毎に検出する検出手段と、 前記検出手段により検出される座標の集合( 以下、座標群と称する) に基き、前記車両の移動軌跡の近似線を算出する近似手段と、 前記近似手段により算出された近似線に基づき道路地図を生成する生成手段と、 前記近似線が前記道路の設計仕様に適合するか否かを判定する判定手段と、 前記判定手段により前記近似線が前記設計仕様に適合しないと判定されると、前記近似線を前記設計仕様に適合するように補正する補正手段と、を備え、 前記生成手段は、前記近似手段により算出された近似線が前記補正手段により補正されると、前記補正手段により補正された近似線を用いて前記道路地図を生成する、ように構成された道路地図生成装置を備え、 前記道路地図生成装置により生成された道路地図、及び前記検出手段により検出された前記車両の現在位置の座標を前記道路地図上に表示する表示手段と、 前記表示手段に表示された前記車両の現在位置に基き経路案内を行う経路案内手段と、 を備えたことを特徴とするナビゲーションシステムである。


【0 0 3 5 】
このような本願発明によれば、道路地図生成装置について説明したとおりの効果を同様に得ることができる。 また、本願発明のナビゲーションシステムは、 前記検出手段により検出された前記車両の現在位置の座標が第1 所定値以上の誤差を含むか否かを判定する異常判定手段を備え、 前記表示手段は、前記異常判定手段により前記第1 所定値以上の誤差を含むと判定された座標から前記道路地図上の道路へ垂線を形成した場合におけるその垂線とその道路との交点の座標を、車両の現在位置を表す座標として前記道路地図上に表示するように構成されていても良い。


【0 0 3 6 】
このようなナビゲーションシステムによれば、検出手段により検出された車両の現在位置の座標が誤差を含みそのまま道路地図上に表示したならばその道路地図から大きくずれてしまい得るような場合においても、車両の現在位置の座標が道路地図上に補正されて表示される。具体的には、誤差を含む座標から道路地図上の道路へ垂線を形成した場合におけるその垂線とその道路との交点の座標を車両の現在位置とみなすことにより、誤差の大きさを低減し( 誤差を目立たなくし) 、誤差を含む座標がそのまま道路地図上に表示される場合と比較して、車両の搭乗者に混乱を生じさせてしまうことを抑制し得る。このため、経路案内の品質の低下を抑制することができる。


【0 0 3 7 】
また、本願発明のナビゲーションシステムは、 前記車両の速度及び加速度の少なくとも一方を検出する速度検知手段と、 前記検出手段により検出された前記車両の現在位置の座標が、前記車両の進行方向に沿った方向に第2 所定値以上の誤差を含むか否かを判定する誤差判定手段と、を備え、 前記表示手段は、前記誤差判定手段により前記第2 所定値以上の誤差を含むと判定されると、その誤差を含むと判定された座標の直前に検出された座標及び前記速度検知手段の検出結果に基き前記車両の現在位置の座標を推定し、該推定した座標を、前記車両の現在位置を表す座標として前記道路地図上に表示するように構成されていても良い。


【0 0 3 8 】
車両の速度及び加速度の少なくとも一方を用いることにより、車両の進行方向に沿った方向に関する限り車両の現在位置を容易かつ比較的高い精度で推測することができる。このため、検出手段により検出される座標の誤差が車両の進行方向に沿った方向の誤差である場合には、車両の速度及び加速度の少なくとも一方から車両の現在位置を推測してその推測した位置の座標を車両の現在位置として道路地図上に表示した場合でも、車両の現在位置の精度ひいては経路案内の品質の低下を抑制し得る。即ち、本願発明によれば、車両の搭乗者に対し適切に経路案内を行うことができる。


【0 0 3 9 】
また、本願発明によれば、前述のように、道路地図のデータ量を大幅に削減することができ、リソース及び処理負荷を大幅に低減することができる。特に、処理負荷を大幅に低減し得ることにより、例えば、道路地図に基き車両の進行方向の先の道路の軌跡を予め読み出して事前に把握するような処理を行うことも、高い実用性を確保しつつ可能となり得る。この場合、車両の進行方向の先の道路を予め把握して、車両の駆動制御を行っても良い。


【0 0 4 0 】
例えば、本願発明を電気自動車やハイブリッド車両に適用することができる。具体的には、車両の進行方向の先に下り坂が存在することを事前に把握できたような場合に、その下り坂で充電が可能と判断するとともに可能な充電量を推定して、下り坂で充電し得る分だけ例えばハイブリッド車両にてバッテリの電力を優先的に使用する、といった制御を行っても良い。また、電気自動車の場合には、下り坂で充電し得る分だけの電力を車両の速度向上等に活用する、といった制御を行っても良い。


【図面の簡単な説明】

【0 0 4 1 】

図1本実施形態の道路地図生成装置の構成を表すブロック図である。
図2道路構造令を説明する説明図である。
図3道路地図生成処理を表すフローチャートである。
図4直線部近似処理、及び円弧部近似処理を表すフローチャートである。
図5クロソイド曲線部近似処理を表すフローチャートである。
図6道路の一例を概略的に示す図である。
図7近似曲線( 道路地図) の生成方法を示す図である。
図8近似曲線( 道路地図) の生成方法を示す図である。
図9近似曲線( 道路地図) の更新を説明する図である。
図1 0本実施形態のナビゲーションシステムの構成を表すブロック図である。
図1 1誤差を含む座標を補正して車両の現在位置を表示する方法を説明する図である。
図1 2誤差を含む座標を補正して車両の現在位置を表示する方法を説明する図である。
図1 3第2 実施形態のシステムの概略構成を示す図である。
図1 4車両に搭載される車載装置の構成を示す図である。
図1 5車載装置の制御装置が実行する処理を表すフローチャートである。
図1 6ストレージの構成を示す図である。
図1 7作成される道路地図の一例を示す図である。


【発明を実施するための形態】

【0 0 4 2 】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。< 第1 実施形態>
[ 道路地図生成装置1 の概要]
 図1 は、本実施形態の道路地図生成装置1 の構成を表すブロック図である。


【0 0 4 3 】
道路地図生成装置1 は、車両( 図示省略) に搭載され、制御装置1 0 と、位置検出器12 と、構造令データ記憶部5 と、地図データ記憶部6 と、近似曲線データ記憶部7 と、点群データ記憶部8 と、生成地図データ格納部9 と、を備える。


【0 0 4 4 】
制御装置1 0 は、周知のC P U 1 0 a 、R O M 1 0 b 、及びR A M 1 0 c 等を備え、道路地図生成装置1 の動作を制御する。 位置検出器1 2 は、当該道路地図生成装置1 を搭載した車両の現在位置や方位( 進行方向) を検出するための機器であり、G N S S 受信機1 2 a 、ジャイロスコープ1 2 b 、距離センサ1 2 c 、及び地磁気センサ1 2 d を備える。


【0 0 4 5 】
G N S S 受信機1 2 a は、一例では、G P S ( G l o b a l  P o s i t i o n i n g S y s t e m ) 用の人工衛星からの電波をG P S アンテナ( 図示省略) を介して受信し、車両の位置、方位( 進行方向) 、速度、加速度等を検出する。


【0 0 4 6 】
ジャイロスコープ1 2 b は、車両の角速度( 方位変化量) を検出するためのセンサであり、車両に加わる回転運動の角速度に応じた検出信号を出力する。 距離センサ1 2 c は、車両の前後方向の加速度等から、車両が走行した距離を検出する。


【0 0 4 7 】
地磁気センサ1 2 d は、半導体を用いた方位センサであり、地球に生じている南北の地磁気を検出して、方位( 進行方向) を検出する。 構造令データ記憶部5 には、予め、後述する構造令データが記憶される。


【0 0 4 8 】
地図データ記憶部6 には、予め地図データ( ここでは、既存の地図データ) が記憶される。より詳細には後述する。なお、以下、地図データ記憶部6 に記憶される地図データを既存地図データと記載する。


【0 0 4 9 】
近似線データ記憶部7 には、点群データ記憶部8 に記憶される点群データに基き得られる近似線を表すデータ( 近似線データ) が記憶される。近似線データは、制御装置1 0 の処理( 演算) によって生成される。


【0 0 5 0 】
点群データ記憶部8 には、位置検出器1 2 のG N S S 受信機1 2 a によって測位される座標のデータ( 車両の現在位置の座標のデータ) が蓄積される。このデータには、複数の座標( 座標の群) のデータが含まれる。以下、そのような座標の群のデータを点群データと称する。


【0 0 5 1 】
生成地図データ格納部9 には、制御装置1 0 によって生成された道路地図を表すデータが格納される。この道路地図は、近似線データ記憶部7 に記憶される近似線を表すデータの全てを統合して得られる、対象エリア全体の道路地図であり、本願発明の道路地図生成装置1 により得られる結果物である。道路地図生成装置1 ( 具体的には制御装置1 0 ) が道路地図を生成する処理については後述する。


【0 0 5 2 】
以下、各データの概略について補足する。
[ 構造令データ]
 構造令データ記憶部5 に記憶される構造令データとは、政府機関が定める道路構造令(道路の安全性・円滑性を確保する観点から、最低限確保すべき一般的技術的基準を定めた法令) によって規定される道路の設計仕様( 基準) を表すデータである。


【0 0 5 3 】
道路構造令では、道路構造の線形は、横方向の平面線形と、縦方向の縦断線形との組み合わせにより規定されている。平面線形に関する規定は、曲線半径、曲線部の片勾配、拡幅、及び緩和区間で構成される。


【0 0 5 4 】
縦断線形の規定は、縦断勾配、及び縦断曲線で構成される。 そして、それら曲線半径、曲線部の片勾配、拡幅、緩和区間、縦断勾配、及び縦断曲線のそれぞれについて、設計速度、設計車両、及びその他の前提条件に基き、設計仕様( 基準) が定められている。ここで、理解の助けのため、曲線半径、緩和区間、及び縦断曲線についてのみではあるが、道路構造令に基く実際の設計仕様( 基準) を図2 ( A ) 〜 ( C) に示す。


【0 0 5 5 】
図2 ( A ) は、曲線半径の設計仕様( 基準) の一例である。道路構造令によれば、道路の曲線部の曲線半径は、設計速度に応じて、「曲線半径( m ) 」の欄の左欄に掲げる値以上としなければならない。なお、地形の状況等によりやむを得ない場合には、右欄に掲げる値まで縮小することができる。


【0 0 5 6 】
図2 ( B ) は、緩和区間の設計仕様( 基準) の一例である。道路構造令によれば、道路の屈曲部には緩和区間を設け、緩和区間の長さは、設計速度に応じて表に掲げる値以上としなければならない。


【0 0 5 7 】
図2 ( C ) は、縦断曲線の設計仕様( 基準) の一例である。道路構造令によれば、道路の縦断勾配が変位する箇所には、縦断曲線を設け、縦断曲線の半径は設計速度及び曲線形に応じて表に掲げる値以上としなければならず、縦断曲線の長さは、設計速度に応じて表に掲げる値以上としなければならない。


【0 0 5 8 】
構造令データ記憶部5 には、設計速度毎に、上記のような道路構造令によって規定される設計仕様( 基準) の要素のそれぞれを表す情報が対応付けて記憶される。例えば、設計速度が1 2 0 k m / h の場合について、要素( 曲線半径、曲線部の片勾配、拡幅、緩和区間、縦断勾配、及び縦断曲線) のデータが対応付けられて格納されている。以下、この要素のデータを要素データと記載する。


【0 0 5 9 】
そして、本実施形態では、実際の道路が、道路構造令に適合するように施工されていることを前提とする。道路構造令に基く道路は、直線で近似し得る直線部と、円弧で近似し得る円弧部と、直線部と円弧部とを滑らかに接続する緩和曲線部とに分類することができる。緩和曲線部は、クロソイド曲線によって近似することができる。クロソイド曲線は、車両が一定速度で走行している状況下において所定の回転速度でハンドルを回転させた場合に得られる車両の走行軌跡に該当し得る曲線であり、道路のカーブの設計に取り入れられている。なお、以下、緩和曲線部をクロソイド曲線部とも記載する。

[ 既存地図データ]

 地図データ記憶部6 に記憶される既存地図データは、本発明の道路地図を作成するにあたり車両の現在位置を概算して算出するために用いられるデータであり、そのようなデータとしては、従来利用されている既存の地図データが採用され得る。例えば、ノードデータとリンクデータとから構成される地図データが採用されても良い。なお、紙媒体上の地図をスキャンして得られるようなデータであっても良い。本実施形態では、道路地図生成装置1 は、既存地図データを活用し車両の現在位置をおおよそ把握して、新たに算出対象とする道路( 近似線) の範囲を設定して、その設定した範囲について近似線を算出するように構成されている。

[ 点群データ]

 点群データ記憶部8 に記憶される点群データは、位置検出器1 2 によって測位される車両の現在位置の座標( 緯度、経度) の群のデータである。本実施形態では、G N S S 受信機1 2 a は、1 秒間に最大1 0 回の測位を行う( なお、現状での一般的なG N S S 受信機において、同様に1 秒間に最大1 0 回の測位が行われている) 。点群データは、道路地図生成装置1 が搭載される車両が走行している間、随時蓄積され得る。

[ 近似線データ]

 近似線データ記憶部7 に記憶される近似線データは、蓄積された点群データに基く近似線を表すデータである。なお、前述のように、道路構造令に基く道路は、直線部と、円弧部と、クロソイド曲線部とに分類することができる。近似線データには、直線部の近似線と、円弧部の近似線と、クロソイド曲線部の近似線とが含まれる。そして、本実施形態では、直線部及び円弧部の近似線は点群データに基き最小二乗法によって算出され、一方で、クロソイド曲線部の近似線は、最小二乗法により算出された直線部及び円弧部の近似線を活用して算出( 演算) される。詳細については後述する。

[ 道路地図の生成方法]

 次に、道路地図生成装置1 による、道路地図の生成方法について説明する。


【0 0 6 0 】
図3 は、制御装置1 0 のC P U 1 0 a が実行する道路地図生成処理を表すフローチャートである。この処理は、車両が図5 に一例として示されるような道路を走行している際に実行され、これにより、その走行中の道路の道路地図が生成され得る。


【0 0 6 1 】
具体的には、図3 の処理は、道路地図の生成指令が入力されると開始される。生成指令は、図示しない操作部を介してユーザにより入力される。なお、位置検出器1 2 による測位は、生成指令の入力の有無に関わらず行われ得る。


【0 0 6 2 】
図3 の処理が開始されると、まず、S 1 0 0 ( なお、S はステップを表す) にて、位置検出器1 2 のG N S S 受信機1 2 a によって受信される測位データ( 車両の現在位置の座標( 緯度及び経度) を表すデータ) と既存地図データとが照合され、車両の現在位置が既存地図データにより表される地図( 以下、既存地図とも記載する) 上にプロットされる。即ち、既存地図上における車両の現在位置が算出される。


【0 0 6 3 】
S 1 0 0 の後はS 1 0 5 に移行し、S 1 0 0 にて算出された車両の現在位置を基準に、以降のS 1 1 0 〜 S 2 3 0 にて算出( 近似) する道路地図の範囲が設定される。以下、S1 0 5 にて設定される範囲を対象範囲とも記載する。


【0 0 6 4 】
本実施形態では、既存地図における道路の形状に基き道路のパターンが変化するポイントが算出され、その変化のポイントが範囲の端となり得るよう範囲が設定されても良い。換言すれば、直線部の途中、円弧部の途中、又はクロソイド曲線部の途中にて別の範囲が設定されないようにしても良い。また、設定される範囲は、道路地図の算出( 近似) の処理負荷が過度に大きくならないよう、予め定められる上限の範囲内で設定されても良い。


【0 0 6 5 】
例えば、道路のパターンが変化するポイントを複数算出し、その算出したポイントを結んで範囲を仮設定し、さらに、仮設定した範囲の大きさが上限以内か否かを判断し、上限以内であると判断した場合には仮設定した範囲を対象範囲として決定し、上限以内ではない( 上限を超える) と判断した場合には仮設定の範囲の大きさを縮小し、再度上限以内か否かを判断しても良い。


【0 0 6 6 】
なお、このS 1 0 5 での範囲の設定は、道路地図の算出( 近似) の処理の効率が過度に悪化しないように範囲をおおよそ設定するという思想に基いている。以降のS 1 1 0 〜 S2 3 0 の処理は対象範囲について実行されるものの、実際に算出( 近似) される道路地図の範囲が対象範囲と厳密に一致するとは限らず、実際に算出される道路地図の形状により( 例えば、道路のパターンが変化するポイントに応じて) 変化し得る。


【0 0 6 7 】
なお、対象範囲としては、道路地図が適切に算出( 近似) されるかぎり、車両の現在位置を中心とした所定の半径の円領域が設定されても良いし、車両の現在位置を中心に予め定められた大きさの四方領域が設定されても良い。また、他のルールに基き設定されても良い。


【0 0 6 8 】
S 1 0 5 の後はS 1 1 0 に進み、対象範囲に含まれる道路について直線部のみであるか否かが判断される。本実施形態では、既存地図に基き判断される。具体的には、本実施形態では、前述のようにS 1 0 5 の処理にて既存地図における道路の形状に基き対象範囲が定められるようになっており、その処理の過程において、対象範囲における道路の形状は既に算出済みであると言える。その算出結果はログとして所定のメモリ領域( 例えばR AM 1 0 c ) に記憶され、S 1 1 0 ではそのログが読み出されて判断が行われる。これによれば、処理負荷を増大させることなく、簡易かつ迅速に判断処理を実行することが可能である。


【0 0 6 9 】
なお、S 1 1 0 では、既存地図に代えて点群データ記憶部8 に記憶される点群データを用いて判断するようにしても良い。また、既存地図と点群データとの両方を用いても良い。点群データを用いる場合、仮の処理又は一次的な処理としての位置付けで点群データに基き道路形状を概略的に算出( 近似) し、その算出した道路形状に基き判断を行っても良い。


【0 0 7 0 】
S 1 1 0 にて直線部のみであると判断すると( S 1 1 0 : Y E S ) 、S 1 2 0 に移行する。 S 1 2 0 では、S 1 1 0 にて直線部のみであると判断されたことに基き、点群データから最小二乗法により直線部を算出( 近似) する。


【0 0 7 1 】
S 1 2 0 の処理( 直線部近似処理) の詳細について、図4 に基き説明する。 まず、S 3 0 0 にて、前述の対象範囲内の点群データに基き最小二乗法により直線部を算出( 近似) する。


【0 0 7 2 】
S 3 0 0 の後はS 3 1 0 に移行し、S 3 0 0 にて算出( 近似) した直線部について、近似がどの程度正確であるかを表す係数である相関係数を算出する。 直線部の近似線を表す式がy = a x + b であるとき、x の平均分散( v x) 、y の平均分散( v y) 、x ,y の共分散( v xy) は、それぞれ以下の式で表すことができる。


【0 0 7 3 】
【数1 】


【0 0 7 4 】
【数2 】

【0 0 7 5 】
【数3 】

そして、相関係数( r ) は、以下の式で表される。


【0 0 7 6 】
【数4 】

S 3 1 0 の後はS 3 2 0 に移行し、相関係数( r ) が所定の範囲内であるか否か( 換言すれば、近似の正確度が所定度合以上か否か) を判断する。


【0 0 7 7 】
S 3 2 0 において、相関係数( r ) が所定の範囲内であると判断すると( S 3 2 0 : YE S ) 、S 3 4 0 に移行する。 S 3 4 0 では、算出( 近似) 済みである前区間との間で、相関係数が整合するか否かを判断する。換言すれば、今回算出( 近似) した直線部と前区間との接続点が滑らかであるか否かを判断する。この判断は、具体的には、相関係数の相違が所定範囲内に収まるか否かに基き判断し得る。


【0 0 7 8 】
S 3 4 0 にて相関係数が整合すると判断すると( S 3 4 0 : Y E S ) 、そのまま当該処理を終了する。この場合、S 3 0 0 にて算出( 近似) された直線部が後の処理に用いられることとなる。


【0 0 7 9 】
ここで、S 3 2 0 にて相関係数( r ) が所定の範囲内でないと判断すると( S 3 2 0 :N O ) 、S 3 3 0 に移行し、直線部の算出の対象となる範囲を再設定する。そして、その後S 3 0 0 に移行する。つまり、再設定した範囲について、再度直線部が算出( 近似) される。


【0 0 8 0 】
また、S 3 4 0 にて相関係数が整合しないと判断すると( S 3 4 0 : N O ) 、S 3 5 0に移行する。 S 3 5 0 では、相関係数が整合するよう直線部( 近似式) を補正する。これは、今回の道路のパターンと前区間の道路のパターンとの連続性を維持する趣旨である。例えば、前区間がy = A x + B なる式によって近似され、今回の区間がy = a x + b なる式によって近似される場合に、それぞれの式から導かれる相関係数のそれぞれが所定の範囲内に収まり得るように、今回の区間についてのy = a x + b の係数a ,b を許容される範囲で補正する。そして、S 3 5 0 の後は再びS 3 2 0 に移行する。


【0 0 8 1 】
以上のように、直線部近似処理では、直線部を算出( 近似) しつつ、相関係数に基きその近似が正確か否かを判断し、正確な近似が得られるまで、範囲を再設定しつつ直線部を算出( 近似) することが繰り返される。換言すれば、対象範囲を起点としつつ、試行錯誤により直線部の範囲が最適化され、直線部がより正確( 精密) に算出( 近似) され得る。また、前区間との間で相関係数の整合が図られ、連続性が維持され得る。


【0 0 8 2 】
図3 に戻り、S 1 2 0 の後はS 2 1 0 に移行する。 また、S 1 1 0 にて、対象範囲に含まれる道路について直線部のみでないと判断すると( S 1 1 0 : N O ) 、S 1 3 0 に移行し、円弧部のみであるか否かを判断する。


【0 0 8 3 】
S 1 3 0 にて円弧部のみであると判断すると( S 1 3 0 : Y E S ) 、S 1 4 0 に移行する。 S 1 4 0 では、S 1 3 0 にて円弧部のみであると判断されたことに基き、点群データから最小二乗法により円弧部を算出( 近似) する。


【0 0 8 4 】
S 1 4 0 の円弧部の算出( 近似) 処理は、S 1 3 0 の直線部の算出( 近似) 処理と同様である。即ち、図4 により表され得る。 S 1 4 0 の処理( 円弧部近似処理) の詳細について、図4 に基き説明する。


【0 0 8 5 】
まず、S 3 0 0 にて、前述の対象範囲内の点群データに基き最小二乗法により円弧部を算出( 近似) する。 S 3 0 0 の後はS 3 1 0 に移行し、S 3 0 0 にて算出( 近似) した円弧部について、近似がどの程度正確であるかを表す係数である相関係数を算出する。


【0 0 8 6 】
S 3 1 0 の後はS 3 2 0 に移行し、相関係数( r ) が所定の範囲内であるか否か( 換言すれば、近似の正確度が所定度合以上か否か) を判断する。 S 3 2 0 において、相関係数( r ) が所定の範囲内であると判断すると( S 3 2 0 : YE S ) 、S 3 4 0 に移行する。


【0 0 8 7 】
S 3 4 0 では、算出( 近似) 済みである前区間との間で、相関係数が整合するか否かを判断する。換言すれば、今回算出( 近似) した円弧部と前区間との接続点が滑らかであるか否かを判断する。この判断は、具体的には、相関係数の相違が所定範囲内に収まるか否かに基き判断し得る。


【0 0 8 8 】
S 3 4 0 にて相関係数が整合すると判断すると( S 3 4 0 : Y E S ) 、そのまま当該処理を終了する。この場合、S 3 0 0 にて算出( 近似) された円弧部が後の処理に用いられることとなる。


【0 0 8 9 】
ここで、S 3 2 0 にて相関係数( r ) が所定の範囲内でないと判断すると( S 3 2 0 :N O ) 、S 3 3 0 に移行し、円弧部の算出の対象となる範囲を再設定する。そして、その後S 3 0 0 に移行する。つまり、再設定した範囲について、再度円弧部が算出( 近似) される。


【0 0 9 0 】
また、S 3 4 0 にて相関係数が整合しないと判断すると( S 3 4 0 : N O ) 、S 3 5 0に移行する。 S 3 5 0 では、相関係数が整合するよう円弧部( 近似式) を補正する。これは、今回の道路のパターンと前区間の道路のパターンとの連続性を維持する趣旨である。


【0 0 9 1 】
以上のように、円弧部近似処理では、円弧部を算出( 近似) しつつ、相関係数に基きその近似が正確か否かを判断し、正確な近似が得られるまで、範囲を再設定しつつ円弧部を算出( 近似) することが繰り返される。換言すれば、対象範囲を起点としつつ、試行錯誤により円弧部の範囲が最適化され、円弧部がより正確( 精密) に算出( 近似) され得る。また、前区間との間で相関係数の整合が図られ、連続性が維持され得る。


【0 0 9 2 】
図3 に戻り、S 1 4 0 の後はS 2 1 0 に移行する。 また、S 1 3 0 にて、対象範囲に含まれる道路について円弧部のみでないと判断すると( S 1 3 0 : N O ) 、S 1 5 0 に移行し、直線部及び円弧部のみであるか否かを判断する。


【0 0 9 3 】
直線部及び円弧部のみであると判断すると( S 1 5 0 : Y E S ) 、S 1 6 0 に移行し、直線部近似処理を実行する。S 1 6 0 の処理は、S 1 3 0 の処理( 図4 の処理) と同一であるためここでは詳しい説明を省略する。


【0 0 9 4 】
S 1 6 0 の後はS 1 7 0 に移行し、円弧部近似処理を実行する。S 1 7 0 の処理はS 14 0 の処理( 図4 の処理) と同一であるためここでは詳しい説明を省略する。 ただし、S 1 6 0 , 1 7 0 では、対象範囲のうち、直線部の部分、及び円弧部の部分が処理の最初において推定により絞り込まれたうえで、図4 の処理が実行される。


【0 0 9 5 】
S 1 5 0 にて、直線部及び円弧部のみでないと判断すると( S 1 5 0 : N O ) 、対象範囲に直線部、円弧部、及びクロソイド曲線部が含まれると判断し、まずS 1 8 0 に移行して直線部近似処理を実行する。S 1 8 0 の処理は、S 1 3 0 及びS 1 6 0 の処理( 図4 の処理) と同一であるためここでは詳しい説明を省略する。


【0 0 9 6 】
S 1 8 0 の後はS 1 9 0 に移行し、円弧部近似処理を実行する。S 1 9 0 の処理はS 14 0 及びS 1 7 0 の処理( 図4 の処理) と同一であるためここでは詳しい説明を省略する。ただし、S 1 8 0 , S 1 9 0 では、対象範囲のうち、直線部の部分、及び円弧部の部分が処理の最初において推定により絞り込まれたうえで、図4 の処理が実行される。


【0 0 9 7 】
S 1 9 0 の後はS 2 0 0 に移行する。S 2 0 0 では、クロソイド曲線部近似処理を実行する。 クロソイド曲線部近似処理について、図5 , 7 , 8 に基き説明する。


【0 0 9 8 】
図5 は、図3 のS 2 0 0 の処理( クロソイド曲線部近似処理) の詳細を表すフローチャートである。 図5 のクロソイド曲線部近似処理では、まず、S 4 0 0 において、図3 の処理にて得られた直線部及び円弧部の両方について、横軸に長さl をとり縦軸に1 / r ( ただし、r は、円弧部を含む円の中心からの距離である) をとったグラフ上に変換して描画する( 図7( B ) 参照) 。なお、以下、横軸に長さl をとり縦軸に1 / r をとったグラフを演算用グラフと称する。


【0 0 9 9 】
円弧部は、円の一部であるから、円弧部のどの部分においても( 換言すればl の値によらず) 、円弧部( 円) の中心からの距離は一定である。このため、1 / r も一定となる。よって、円弧部は、演算用グラフ上においては、横軸に平行( 縦軸に垂直) な線分( 直線) にて表される。


【0 1 0 0 】
直線部は、その直線部の位置に応じて( l に応じて) 1 / r は小さくなるか大きくなるかの何れかとなり、演算用グラフ上においては漸次線にて表される。 S 4 0 0 の後はS 4 1 0 に進み、次のような処理を実行する。


【0 1 0 1 】
第1 に、演算用グラフ上において、直線部の端点と円弧部の端点とを算出する。換言すれば、直線部に相当する線分の関係式、及び円弧部に相当する線分の関係式が変化する箇所を算出する。


【0 1 0 2 】
ここで、クロソイド曲線部は、前述のとおり直線部と円弧部との間を接続する緩和曲線部をなし、クロソイド曲線は、演算用グラフ上においては比例関係をとる( 比例式で定義し得る) ことが分かっている。


【0 1 0 3 】
第2 に、S 4 1 0 では、演算用グラフ上において、円弧部に相当する線分の端点と、直線部に相当する線分の端点とを直線で結ぶ。換言すれば、演算用グラフ上にて、円弧部に相当する線分の端点と直線部に相当する線分の端点とを接続する線分( 直線) を描画する( 図8 ( A ) 参照) 。その描画した線分は、クロソイド曲線部とみなし得る。


【0 1 0 4 】
具体的には、S 4 2 0 に移行し、演算用グラフをX Y 座標軸のグラフに再変換する( 図8 ( B ) 参照) 。換言すれば、演算用グラフに描画された線分( 前述のように端点同士を接続する線分) を、X Y 座標軸のグラフ上に変換して描画する。このような変換処理によって、端点同士を接続する線分( 直線) がX Y 座標軸のグラフ上にてクロソイド曲線として表され、これによりクロソイド曲線部を算出( 近似) し得る。


【0 1 0 5 】
なお、図3 〜 5 の処理にて算出( 近似) された直線部、円弧部、及びクロソイド曲線部を表すデータは、近似線データ記憶部7 に記憶される。そのデータは、構造令データを構成する要素データに対応して、道路の要素毎のデータ( 曲線半径、曲線部の片勾配、拡幅、緩和区間、縦断勾配、及び縦断曲線等のデータ) を含む。


【0 1 0 6 】
図3 に戻り、S 2 1 0 では、構造令データ記憶部5 から構造令データを読み出して、構造令データと、近似線データ記憶部7 に記憶されたデータとを照合する。具体的には、構造令データを構成する要素データと、近似線( 道路地図) を表すデータを構成する要素データとを比較する。


【0 1 0 7 】
次に、S 2 2 0 に移行し、S 2 1 0 の照合結果に基き、近似線( 道路地図) が構造令データによって規定される道路の設計仕様( 基準) に適合するか否かを判定する。具体的には、要素データ毎に判定する。例えば、近似線( 道路地図) を表すデータを構成する要素データのうち、曲線半径を表すデータが、構造令データを構成する要素データのうち曲線半径を表すデータによって規定される曲線半径の設計仕様( 基準) に適合するか否かが判定される。他の要素についても同様に比較される。


【0 1 0 8 】
S 2 2 0 にて適合すると判定すると( S 2 2 0 : Y E S ) 、S 2 4 0 に移行し、近似線( 道路地図) を生成地図データ格納部9 に格納するとともに、道路地図の生成対象の範囲を次の領域に移行させる。


【0 1 0 9 】
一方、S 2 2 0 において適合しないと判定すると( S 2 2 0 : N O ) 、S 2 3 0 に移行し、近似線( 道路地図) の補正を行う。ただし、相関係数( r ) が大きく変化するような補正を行ってしまうと( 換言すれば、点群データを無視して近似線を補正すると) 、正確な道路地図を得られなくなってしまう。S 2 3 0 の処理においては、相関係数( r ) の低下が最小限になるように、かつ、近似線( 道路地図) が道路の設計仕様( 基準) に適合するように( 近似線が道路の設計仕様( 基準) によって定められる数値範囲内におさまるように) 、近似線( 道路地図) を補正する。その後、S 2 4 0 に移行する。


【0 1 1 0 】
以上のようにして算出( 近似) された近似線( 道路地図) は、順次、道路地図データ格納部9 に格納され、道路地図生成装置1 による結果物( 新たに生成される道路地図) を構成する。
[ 近似線( 道路地図) の更新]
 本実施形態の道路地図生成装置1 では、位置検出器1 2 により検出される、車両の現在位置の座標を蓄積して記憶し、近似線( 道路地図) を逐一更新するように構成されている。


【0 1 1 1 】
図9 ( A ) は、既に取得済みの点群データ( 以下、既得点群データとも記載する) に加えてさらに新たな点群データ( 以下、追加点群データとも記載する) を取得した例を示す。


【0 1 1 2 】
具体的には、本実施形態では、既得点群データに基いて近似線( 道路地図) を生成しつつ、その後も逐一点群データを取得して点群データ記憶部8 に蓄積する。追加点群データは、近似線( 道路地図) が生成された後にさらに追加して取得された点群データである。


【0 1 1 3 】
本実施形態では、追加点群データが所定量以上蓄積されると、既得点群データ及び追加点群データに基き、近似線( 道路地図) が再度算出され、近似線データ記憶部7 の情報が更新される( 図9 ( B ) 参照) 。なお、ユーザから入力される更新指令に基き、近似線(道路地図) の再度の算出、及び近似線データ記憶部7 の情報の更新がなされるようにしても良い。


【0 1 1 4 】
このように、本実施形態では、車両の現在位置の座標を蓄積して近似線( 道路地図) を更新することにより、道路地図の精度をより向上させ得るようになっている。
[ 道路地図生成装置1 の作用]
 次に、道路地図生成装置1 の作用について、図6 〜 8 に基き説明する。


【0 1 1 5 】
道路の形状の一例を概略的に示す図である。図6 に示される道路地図は、既存地図データとして地図データ記憶部6 に記憶されていることを前提とする。 本実施形態では、まず、既存地図データの地図上における、車両の現在位置が算出される( 図3 のS 1 0 0 ) 。なお、図6 に示される道路地図において、丸で示されるポイントは、交差点、或いは道路の形状のパターンが変化するポイントを示す。


【0 1 1 6 】
次に、対象範囲が設定される( S 1 0 5 ) 。図6 において、「X 」にて示される領域が対象範囲である。対象範囲は、第1 に所定の上限の大きさの範囲内で、第2 に交差点或いは道路の形状のパターンが変化するポイントが領域の端部になるように設定され得る。第2 の点から、図6 ではポイントP 1 が領域X の端部となっている一方、第1 の点の制約から、ポイントP 2 は領域X には含まれていない。


【0 1 1 7 】
図7 ( A ) は、領域X 内の道路地図の詳細である。領域X 内には、直線部、円弧部、及びクロソイド曲線部が含まれている。なお、図7 ( A ) において、非直線部とは、円弧部及びクロソイド曲線部を意味する。


【0 1 1 8 】
本実施形態では、既存地図データに基き、領域X 内に、直線部、円弧部、及びクロソイド曲線部が含まれていると判断される( S 1 1 0 : N O 、S 1 3 0 : N O 、S 1 5 0 : NO ) 。そして、直線部の範囲が推定されて絞り込まれ、直線部が最小二乗法により算出(近似) される( S 1 8 0 、図7 ( A ) ) 。また、円弧部についても同様に、円弧部の範囲が推定されて絞り込まれ、円弧部が最小二乗法により算出( 近似) される( S 1 9 0 、図7 ( A ) ) 。


【0 1 1 9 】
次に、算出( 近似) された直線部及び円弧部が、演算用グラフ上に描画される( 図7 (B ) ) 。 そして、演算用グラフ上において、線分の関係式が変化するポイント( つまり、直線部に相当する線分の端点、及び円弧部に相当する線分の端点) が算出される( 図7 ( B ) )。


【0 1 2 0 】
続いて、演算用グラフ上において、線分の関係式が変化するポイント同士( 端点同士)を接続する線分( 直線) が描画される( 図8 ( A ) ) 。 さらに、演算用グラフが二次元のX Y 座標軸のグラフに再変換される( 図8 ( B ) ) 。具体的には、演算用グラフ上にて描画された線分( クロソイド曲線に相当し得る線分) が、X Y 座標軸のグラフ上に変換されて描画される。


【0 1 2 1 】
これにより、直線部、円弧部、及びクロソイド曲線部を含む道路地図が算出される。また、本実施形態では、算出( 近似) した道路地図について、構造令データに適合するか否かが判断され( S 2 2 0 ) 、適合しない場合、適合するように補正される( S 2 3 0 ) ことは前述したとおりである。


【0 1 2 2 】
以上のように、本実施形態では、演算用グラフを生成し、その演算用グラフ上にて直線部と円弧部とを結ぶ線分( 直線) を描画するという簡易な処理を介して、直線部と円弧部とを接続するクロソイド曲線部を算出( 近似) し得る。このため、クロソイド曲線部の算出( 近似) の処理負荷、ひいては道路地図の作成の処理負荷を抑えることができる。


【0 1 2 3 】
また、本実施形態では、算出( 近似) した道路地図が、道路構造令によって定められる設計仕様( 規定) を示す構造令データに適合するか否かが判断され、適合しない場合、適合し得るように道路地図が補正される。


【0 1 2 4 】
このため、実際の道路に合致した精度の高い道路地図を生成し得る。 また、本実施形態では、道路地図は、構造令データに対応して、要素データからなる形式にて構成され、保存される。この場合、道路地図データのデータ量を大幅に抑えることができ、一例では、ノードデータとリンクデータとからなる従来の道路地図データと比較して、データ量を1 0 0 分の1 程度に抑えることができる。このため、道路地図生成装置1 におけるリソースを節約することができる。
[ ナビゲーションシステム]
 次に、本実施形態の道路地図生成装置1 は、車両に搭載されて車両の搭乗者に経路案内を行うナビゲーションシステムに適用してもよい。


【0 1 2 5 】
図1 0 は、道路地図生成装置1 をナビゲーションシステム1 0 0 に適用した場合のそのナビゲーションシステム1 0 0 の構成を示すブロック図である。 道路地図生成装置1 については前述したとおりであるため具体的な説明を省略するが、ナビゲーションシステム1 0 0 は、道路地図生成装置1 と、その道路地図生成装置1 の制御装置1 0 によって制御される表示装置2 0 、音声入出力装置2 2 、及びインターフェース部2 4 を備える。


【0 1 2 6 】
表示装置2 0 は、地図、探索した道路、テレビ、D V D の画像等を画面に表示する液晶カラーディスプレイである。 音声入出力装置2 2 は、図示しないマイクに対し使用者が発声した音声を電気信号に変換し、内部に格納された認識辞書中の語彙データ( 比較対象パターン) と照合し、最も一致度の高いものを認識結果として制御装置1 0 に送ったり、制御装置1 0 から入力されるデータが表す音声( 例えば経路案内の音声等) を、図示しないスピーカから出力させる装置である。 インターフェース部2 4 は、外部の機器と接続するためのインターフェースである。 このようなナビゲーションシステム1 0 0 は、道路地図生成装置1 により生成された道路地図を表示装置2 0 に表示させつつ、車両の現在位置をその道路地図上に表示させて、目的地までの経路案内を行う。


【0 1 2 8 】
ここで、前述のように、本実施形態の道路地図生成装置1 によれば、道路地図データのデータ量を大幅に低減することができる。このため、道路地図生成装置1 を適用したナビゲーションシステム1 0 0 によれば、道路地図データを活用する場合の処理負荷を抑えることができ、処理遅れが生じるような事態を回避し得る。このため、経路案内の品質を高めることができる。


【0 1 2 9 】
[ 車両の現在位置の補正]
 ところで、[ 発明が解決しようとする課題] の欄で述べたように、ノイズ及びG P S 信号の多重反射等が原因で、G P S による測位データのうち、5 % 程度は1 0 m 以上の誤差を含み得る。例えば、ナビゲーションシステム1 0 0 において、位置検出器1 2 により検出される車両の現在位置のデータは、その種の誤差を含み得る。なお、測位データ( 測位座標) が誤差を含むか否かについては、既知のフィルタ処理により判別可能である。


【0 1 3 0 】
本実施形態では、そのような誤差を補正して車両の現在位置を道路地図上に表示するように構成されている。以下、この点について図1 1 1 2 を用いて説明する。 図1 1 は、車両の現在位置が、道路地図上の道路から1 0 m 以上ずれた位置として検出された例を模式的に示したものである。図1 1 にてG 1 ,G 2 ,G 3 にて示される座標が、誤差を含む座標である。


【0 1 3 1 】
本実施形態では、次のような手法で車両の現在位置について補正を行う。 具体的には、座標G 1 ,G 2 ,G 3 のそれぞれを起点に、点群データによって近似される近似線( 道路地図) に対して垂線を生成する。そして、その垂線と近似線との交点を算出する。


【0 1 3 2 】
座標G 1 に対応する垂線と近似線との交点は交点C 1 で示され、座標G 2 に対応する垂線と近似線との交点は交点C 2 で示され、座標G 3 に対応する垂線と近似線との交点は交点C 3 で示されている。


【0 1 3 3 】
そして、座標G 1 ,G 2 ,G 3 のそれぞれに対応して、交点C 1 ,C 2 ,C 3 をそれぞれ、車両の現在位置とみなす。 車両の現在位置として測位された座標が道路地図上の道路地図から例えば1 0 m 以上ずれている場合には、上記のようにそのずれた座標と道路地図の道路との交点を算出して、その交点の座標を車両の現在位置の座標とみなして車両の現在位置を道路地図上に表示する。


【0 1 3 4 】
これによれば、誤差の大きさを目立たなくし、誤差を含む座標がそのまま道路地図上に表示される場合と比較して、車両の搭乗者に混乱を生じさせてしまうことを抑制し得る。 また、位置検出器1 2 により検出される座標が、車両の進行方向にずれた誤差を含む場合の補正について、図1 2 ( A ) 〜 1 2 ( C ) を用いて説明する。


【0 1 3 5 】
まず、図1 2 ( A ) において、測位座標M 1 は、正しく検出された座標であるとする。一方、座標M 2 は、実際の車両の現在位置に対して車両の進行方向に1 0 m 以上の誤差を含むとする。なお、測位座標M 1 及びM 2 は、連続して測位された座標である。


【0 1 3 6 】
ここで、現状市販されるG N S S 受信機1 2 a によれば、1 s e c あたり最大1 0 回の測位がなされ得る。この場合、座標M 1 と座標M 2 との間の時間間隔は0 . 1 s e c であり得る。そして、本実施形態では、座標M 2 をそのまま用いるのではなく、補正を行い、車両の現在位置を道路地図上に表示する。


【0 1 3 7 】
まず、座標M 1 は前述のように正しく検出された座標である。これを前提とすると、座標M 2 は、座標M 1 を起点として0 . 1 s e c の間に進むことのできる範囲内に収まり得るはずである。このため、本実施形態では、座標M 1 を起点として、車両が0 . 1 s e cの間に進むことのできる範囲が推定される( 図1 2 ( B ) 参照) 。


【0 1 3 8 】
より具体的には、車両の速度が位置検出器1 2 により検出されて、上記のような車両が進むことのできる範囲が推定される。 なお、車両の加速度に基き範囲を推定しても良い。具体的には、車両が、加速可能な最大の加速度で走行した場合の地点、及び、車両が、減速可能な最大の減速度で走行した場合の地点を算出し、その算出した2 点間を、車両が進むことのできる範囲として推定しても良い( 図1 2 ( C ) ) 。


【0 1 3 9 】
そして、本実施形態では、座標M 2 を、その推定した範囲内の値に補正する。換言すれば、車両の現在位置としての座標が、その推定した範囲内に表示されるようにする。 以上のような処理により、ナビゲーションシステム1 0 0 において、道路地図上にて車両が実際の位置から大きくずれて表示されることを回避し得る。このため、経路案内の品質の低下を抑制することができる。


【0 1 4 0 】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態をとることができる。 例えば、車両制御に本発明を適用することもできる。具体的には、本願の道路地図生成装置1 によって生成される道路地図データは、精度が高い一方データ量が抑えられていることから、例えば、その道路地図データを用いて、車両の進行方向の先の道路のデータを事前に読み出して車両制御に用いるようなことも、実用上可能である。
< 第2 実施形態>
 次に、本発明の第2 実施形態について説明する。


【0 1 4 1 】
上記第1 実施形態においては、車両が道路地図生成装置1 を備え、車両において道路地図が生成される形態について説明した。 しかしながら、本発明は、そのような形態に限られない。例えば、車両がサーバと通信可能に接続され、車両によって検出されるデータがサーバに蓄積されてサーバにおいて道路地図が生成されても良い。


【0 1 4 2 】
図1 3 は、第2 実施形態のシステム構成の概略を示す概略図である。 図1 3 に示されるシステムは、複数の車両S を含む車両群S g と、ネットワーク4 0 と、システムセンタ4 1 と、を含む。


【0 1 4 3 】
システムセンタ4 1 は、ストレージ( 記憶装置) 4 2 a を含むデータセンタ4 2 と、メインサーバ4 3 と、を含む。メインサーバ4 3 は、ネットワーク4 0 を介して、又は専用のイントラネット4 0 a を介して、データセンタ4 2 のストレージ4 2 a にアクセス可能に構成される。


【0 1 4 4 】
各車両S は、通信機能を有し、ネットワーク4 0 を介してシステムセンタ4 1 と通信可能に構成される。 図1 4 は、車両S に搭載される車載装置1 S の概略構成を示す概略図である。なお、車載装置1 S において、図1 で示した道路地図生成装置1 における構成と同じ構成については、同一の符号を付している。


【0 1 4 5 】
図1 4 の車載装置1 S は、道路地図を生成しない点において、図1 の道路地図生成装置1 と異なっている。具体的には、道路地図生成装置1 と比較すると、車載装置1 S では、構造令データ記憶部5 、地図データ記憶部6 、近似線データ記憶部7 、点群データ記憶部8 、生成地図データ格納部9 が備えられていない。これらは、後述するようにストレージ4 2 a に設けられ得る。


【0 1 4 6 】
一方、車載装置1 S は、車両S の速度を検出する車速センサ3 1 、車両S の加速度を検出する加速度センサ3 2 、ステアリング操作( 操舵角) を検出するステアリングセンサ33 、車両S の外部( 周囲) の温度を検出する温度センサ3 4 、日射量を検出する日射センサ3 5 、対象物そのもの及びその対象物との距離等を検出する赤外線センサ3 6 及び超音波センサ3 7 、並びに車載カメラ3 8 を備える。また、走行制御E C U ( E C U : 電子制御ユニット) 3 9 を備える。上記の各種センサ3 1 〜 3 7 、及び車載カメラ3 8 は、図示は省略するが、それぞれ、対応する個別のE C U によって制御されるとともに、検出結果を表すデータは対応する個別のE C U によって処理される。


【0 1 4 7 】
走行制御E C U 3 9 は、特に車両S の走行制御を行うE C U であり、一例では、サスペンション制御、定速走行( オートドライブ) 制御、アンチロックブレーキ( A B S ) システム制御、トラクションコントロール、2 W D - 4 W D 切換制御( 以下、駆動切換制御)、又は走行姿勢制御、を行うE C U を含んでも良い。


【0 1 4 8 】
上記の各種センサ3 1 〜 3 7 、車載カメラ3 8 、及び走行制御E C U 3 9 は、車両S において、通常または任意に搭載され得る構成である。本実施形態では、車載装置1 S の制御装置1 0 がそれらのセンサ等と通信可能に構成されていれば良い。


【0 1 4 9 】
また、車載装置1 S は、通信制御装置3 0 と、アンテナ3 0 a とを備える。車載装置1S は、その通信制御装置3 0 及びアンテナ3 0 a を介してネットワーク4 0 ( 図1 3 参照) に通信可能に接続される。これにより、車載装置1 S は、そのネットワーク4 0 と接続する通信機器等とデータ通信可能である。


【0 1 5 0 】
車載装置1 S は、自車両の情報をシステムセンタ4 1 に送信するようになっている。図1 5 は、車載装置1 S の制御装置1 0 が実行する処理を表すフローチャートである。 制御装置1 0 は、車両S のイグニションスイッチ( 図示省略) がオンされると図1 5 (A ) の通信処理を実行する。


【0 1 5 1 】
制御装置1 0 は、通信処理を開始すると、センサ等との通信を確立するための同期処理を行う( S 5 0 0 ) 。具体的には、センサ等を制御する個別のE C U ( 図示省略) との間で認証信号及び同期信号等の送受信を行い、これにより通信を確立するとともに、同期をとる。


【0 1 5 2 】
次に、ネットワーク4 0 に接続するためのネットワーク接続処理を行う( S 5 1 0 ) 。 次に、センサ等からの信号( 検出結果を表すデータ) を取得するサンプリング処理を行う( S 5 2 0 ) 。図1 5 ( B ) はサンプリング処理を表すフローチャートである。


【0 1 5 3 】
サンプリング処理では、センサ等による検出結果を表す信号( 以下、検出信号) を要求する要求信号を車両ネットワーク上に送出する( S 5 2 1 ) 。要求信号は、センサ等を制御する個別のE C U において受信される。個別のE C U は、要求信号を受信すると、センサからの検出信号を車両ネットワーク上に送出する。そして、その検出信号は制御装置10 において受信されることとなる。


【0 1 5 4 】
続いて、制御装置1 0 は、所望の検出信号を全て受信できたか否かを判定する( S 5 22 ) 。受信できていない検出信号があると判定すると( S 5 2 2 : N O ) 、所定時間待機する( S 5 2 2 の処理を繰り返す) 。一方、所望の検出信号を全て受信できたと判定すると( S 5 2 2 : Y E S ) 、サンプリング処理を終了する。


【0 1 5 5 】
このようなサンプリング処理では、例えば、車両S の現在位置の座標、車速、加速度、操舵角、外気温、日射量、自車両周囲の他車両の有無、他車両との距離、自車両の周囲の画像、車両の振動( サスペンション制御) 、定速走行( オートドライブ) 制御の有無、AB S システム作動の有無、タイヤの空転の有無、駆動切換制御の有無、等を表す検出信号が取得されても良い。また、例えば、S 5 2 1 においていずれのセンサからの検出信号を要求するかについて( 各種センサによって検出されたデータのうち、どのデータを取得するかについて) 、予め設定されても良い。


【0 1 5 6 】
S 5 2 0 のサンプリング処理の後はS 5 3 0 に移行し、検出信号を表すデータ( ベースバンド信号) を、無線通信の周波数帯に変調する変調処理を実行する( S 5 3 0 ) 。具体的には、検出信号を表すデータを通信制御装置3 0 に送信し、通信制御装置3 0 に、ベースバンド信号への変換及び変調処理を実行させる。


【0 1 5 7 】
次に、通信制御装置3 0 を制御し、変調した信号をアンテナ3 0 a を介してネットワーク4 0 上に送信する( S 5 4 0 ) 。具体的には、システムセンタ4 1 に送信する。 次に、当該処理を終了するか否か( 換言すれば、継続するか否か) を判定する( S 5 50 ) 。終了しないと判定すると( S 5 5 0 : N O ) 、S 5 2 0 に戻り、S 5 2 0 〜 S 5 40 の処理を再度実行する。終了すると判定すると( S 5 5 0 : Y E S ) 、当該処理を終了する。例えば、車両のイグニションスイッチがオフされることをもって当該処理を終了すると判定されても良い。


【0 1 5 8 】
上記のような通信処理により、システムセンタ4 1 におけるデータセンサ4 2 のストレージ4 2 a に、各車両S において各種センサにより検出されたデータがリアルタイムに蓄積され得る。


【0 1 5 9 】
図1 6 は、ストレージ4 2 a におけるストレージ構成の一例を示す図である。 ストレージ4 2 a は、車両データ記憶部4 、構造令データ記憶部5 、地図データ記憶部6 、近似線データ記憶部7 、点群データ記憶部8 、及び生成地図データ格納部9 を有する。これらは、格納されるデータのデータ量に応じて、複数のストレージ4 2 a にわたって設けられても良いし、1 つのストレージ4 2 a にのみ設けられても良い。また、全部または一部について、メインサーバ4 3 に設けられることも考えられる。


【0 1 6 0 】
車両データ記憶部4 には、車両S からの情報( 各種センサ等による検出データ) が格納される。構造令データ記憶部5 、地図データ記憶部6 、近似線データ記憶部7 、点群データ記憶部8 、及び生成地図データ格納部9 については、図1 の説明において述べたとおりでありここでは省略する。


【0 1 6 1 】
そして、本実施形態では、メインサーバ4 3 が、ストレージ4 2 a とアクセスしつつ、図3 〜 5 に示される処理と同一の処理を実行する。具体的には、メインサーバ4 3 が、複数の車両S から取得される点群データに基き、道路地図を生成する。


【0 1 6 2 】
このような本実施形態によれば、1 台の車両にて点群データを取得して道路地図を生成する場合と比較して、より多くの点群データに基き道路地図を生成することができる。このため、道路地図の精度をより向上させることができる。また、より短い時間( 期間) においてより広範囲にわたる点群データを取得することが可能となり、有利である。


【0 1 6 3 】
メインサーバ4 3 において生成された道路地図データは、ネットワーク4 0 を介して各車両S に送信されてその車両S において利用されても良い。また、道路地図データは、ネットワーク4 0 に接続する他のサーバ4 3 a , 4 3 b に提供されても良い。サーバ4 3 a, 4 3 b は、例えば、I T S ( I n t e l l i g e n t  T r a n s p o r t  S y s te m ) に関するサービスを提供するためのサーバであっても良い。


【0 1 6 4 】
次に、本実施形態のシステムの活用形態について、図1 7 を用いて説明する。 本実施形態においては、前述したように、各車両S の情報がリアルタイムでストレージ4 2 a に蓄積される。


【0 1 6 5 】
メインサーバ4 3 は、ストレージ4 2 a に蓄積される情報に基づき、各車両S の位置情報を、道路地図上にマッピングしても良い( 図1 7 ( A ) 参照) 。具体的には、生成地図データ格納部9 に格納された道路地図データを取得する( 読み込む) 。そして、車両データ記憶部4 に格納されるデータから、車両S の位置情報を表すデータを取得する。そして、その取得したデータに基き、車両S の位置を、道路地図データ上にプロットする。


【0 1 6 6 】
このような処理により、図1 7 ( A ) に示されるような、車両S の位置がプロットされた道路地図を生成することができる。 地図上に車両S の位置が個々にマッピングされることにより、交通量が視覚化され得る。これにより、渋滞の有無が把握できるようになることに加え、プロット点の密集度に基づき渋滞の程度を把握することも可能である。さらに、渋滞の有無、及び渋滞の程度の情報に基づき、目的地までの最適ルートをより効率的かつ効果的に設定することができるようになる。例えば、渋滞が発生しているとしても渋滞の区間が所定の距離より短いと判断できる場合には、その渋滞の区間を走行ルートとして設定しても良い。このような処理及び判断は、メインサーバ4 3 において実行されても良いし、車両S の車載装置1 S ( 具体的には制御装置1 0 ) において実行されても良い。


【0 1 6 7 】
車両S の速度情報を活用する一例について説明する。一例では、メインサーバ4 3 は、車両データ記憶部4 に記憶されるデータから、車両S の速度を表すデータを取得する。そして、車両S の速度が所定速度以下となっている道路上の箇所を、図1 7 ( b ) に示されるように強調表示( ハイライト表示) する。これにより、渋滞の有無や渋滞の程度を把握することができるようになる。


【0 1 6 8 】
一般道に関しては、一例では、通行している車両の速度が2 0 k m / h 以下となっている場合に「混雑」と定義され、1 0 k m / h 以下となっている場合に「渋滞」と定義され得る。高速道路の場合、一例では、車両の速度が所定速度以下( 4 0 k m / h 以下、3 0k m / h 以下、あるいは2 0 k m / h 以下) の場合に「渋滞」と定義されることがあり、また、速度が所定速度以下( 例えば4 0 k m / h 以下) で1 k m の車列の延長が1 5 分以上継続した場合に「渋滞」と定義されることがある。例えば、「渋滞」と定義される状態でも、車列の長さに応じてその程度は大きく異なるため、「渋滞」という情報のみによっては渋滞の度合いを計ることはできない。


【0 1 6 9 】
そこで、各車両S の速度情報に加え、車両S の密集度に基づき「渋滞」の程度を算出すれば、より最適な運行ルートを設定し得る。例えば、「渋滞」と定義される状況でも、車列が比較的短い場合には通り抜けるのにさほど時間はかからず、迂回路を走行したほうがむしろ時間がかかる場合がある。このような状況について、車両S の速度情報( 図1 7 (B ) ) 及び車両の密集度等の情報( 図1 7 ( A ) ) に基づき判断すれば、より最適な運行ルートを設定し得る。


【0 1 7 0 】
次に、車両S の加速度情報を活用する一例について説明する。例えば、車両S の加速度情報を収集及び分析し、急激に減速した車両S ( 即ち、急ブレーキがなされた車両S ) の存在を抽出したならば、その車両S の減速地点を地図上にプロットしても良い( 図1 7 (C ) ) 。このような情報によれば、そのプロット地点が、何らかの原因で急ブレーキを強いられるような危険な箇所である可能性について、利用者に通知することができる。これによれば、車両の安全走行により資することが可能である。


【0 1 7 1 】
また、一例では、A B S システムが作動した箇所、又はタイヤの空転が発生した箇所を道路地図上にマッピングしても良い。この場合、そのような箇所はスリップなどが生じやすいことが懸念され、そのような危険性を利用者に通知することができる。


【0 1 7 2 】
また、一例では、駆動切換制御( 2 W D から4 W D への切換制御) がなされた箇所を道路地図上にマッピングしても良い。この場合には、その箇所の路面状態が、降雪又は未舗装など何らかの原因により悪いことが懸念され、そのような危険性を利用者に通知することができる。


【0 1 7 3 】
また、一例では、定速走行( オートドライブ) 制御がなされた箇所、及び定速走行が継続している箇所を道路地図上にマッピングしても良い。これによれば、そのような箇所及び区間について、渋滞等がなく比較的安全に走行し得ることを利用者に通知することができ、利用者の利便性を向上させることができる。


【0 1 7 4 】
以上、本実施形態では、車両S に関する種々の情報を用いて、運転支援( ナビゲーション) 、安全性の向上、渋滞の改善、燃費向上等に資するような情報を生成することができる。そして、そのような情報を、各車両又はI T S サービスに提供することができる。なお、上記の活用例はほんの一例であり、その他種々の活用例が考えられることは言うまでもない。