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運転支援システム、運転支援方法及び運転支援プログラム(特許第4125569号)

【要約】

【課題】

インフラストラクチャ整備に巨額の費用をかけることなく、車両の自動運転を行うことができ、また、サンプリング期間の長い位置情報でも正確に軌道誤差の修正ができ、これにより車両の自動運転を行い、安全運転を支援することができる運転支援システムを提供する。


【解決手段】

本発明の運転支援システムは、コンピュータネットワーク40と、道路パラメータや道路情報などを提供する道路ジオメトリサーバ10と、自動車70に設置され、道路ジオメトリサーバ10から与えられた又は道路パラメータによって算出した仮想的デジタル走行軌道(座標格子)60を含む道路情報やGPS衛星50からの自動車70の位置などを算出するためのGPS情報に基づいて、自動車70の運転を支援し又は自動運転を行う運転支援装置20と、を備えている。運転支援装置20には、携帯電話などの通信装置30が接続されている。

【発明の詳細な説明】

【発明の属する技術分野】

【0001】

本発明は、自動車などの車両の運転を支援する運転支援システム、運転支援方法及び運転支援プログラムに関する。特には、車両の自動運転を行うことができ、安全運転を支援することができる運転支援システム、運転支援方法及び運転支援プログラムに関する。

【従来の技術】

【0002】

従来から、自動車などの車両を安全に運転するための支援装置や、車両を自動運転するための自動運転装置が考えられ、例えば、特開平11−212640号公報や特開平10−261193号公報などにその一例が示されている。以下、このような自動車を自動運転するための従来の車両システムについて説明する。

【0003】

図29は、自動車を自動運転するための従来の車両システムを示す図である。図29において、この車両システム2020a、2020bは、各車両(自動車2010a、2010b)毎に設置され、GPS(Global Positioning System)から走行経路上の交通状況を入手し、最適走行経路を予測すると共に、CCD(Charge Coupled Device)カメラ(図示せず)などで取得した道路上の白線2030の位置情報、前後の自動車2010a、2010b間の車々間通信による情報及びGPSからのナビゲーション情報などに基づいて、自動車2010a、2010bを自動運転するシステムである。

【0004】

図30は、自動車を自動運転するための従来の他の車両システムを示す図である。図30において、この車両システム2020cは、自動車2010cに設置され、GPSやLCX(漏洩同軸ケーブル)2050から走行経路上の交通状況を入手し、最適走行経路を予測すると共に、道路上に所定間隔で設置されたレーンマーカ2060をレーンマーカ検出器2040で検出し、このレーンマーカ2060の検出情報やLCX2050との間で行う路車間通信から取得した情報などに基づいて、自動車2010cを自動運転するシステムである。

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

しかしながら、図29に示したGPSとCCDによる車両システムによれば、GPSからの走行経路上の交通状況、道路上の白線2030の位置情報、車々間通信による情報及びGPSからのナビゲーション情報など情報の全てを車両システムで処理しなければならず、車両システムに非常に負荷がかかる。このため、自動車毎に設置するシステムとしては、コストがかかり処理能力にも限界があるため実用化が困難であるという問題があった。

【0006】

また、図30に示したGPSやLCX、レーンマーカを利用した車両システムによれば、レーンマーカ2060の設置及びそのメンテナンスなどの道路側のインフラストラクチャ整備に巨額の費用がかかり、実用化が困難であるという問題があった。

【0007】

また、レーンマーカ検出器2040では、レーンマーカ2060から自動車の走行レーンが逸脱した情報以外の情報を得ることができず、走行レーンが逸脱したときに、適切な自動運転を行うのが困難であるという問題があった。

【0008】

さらに、実際の車両の走行においては、種々の状況や条件、例えば、片荷、ブレーキの片効き、加減速による車速の変化、機構的なアンバランスなどの車両側に起因するものと、道路の縦断勾配・横断勾配・カントなどの道路構造に起因するものなど、によって、システムが想定した走行軌道から車両が外れる場合が想定される。したがって、この種々の状況や条件によって生じた走行軌道の誤差を修正する必要がある。

【0009】

この修正には、車両の正確な位置情報が必要となる。この正確な情報を得るには、GPSのサンプリング間隔を短くする必要がある。ところが、GPSのサンプリング間隔を短くすると、GPSからの情報を短時間で処理しなければならず、システムに対する負荷が大きくなり処理能力の問題が生じる。

【0010】

さらに、建造物などや窪地などの地形状態によるGPS情報の受信障害、標高値の誤差によって、正確な位置情報が入手できず、車両の軌道誤差の修正が困難であった。

【0011】

従って、本発明の目的は、インフラストラクチャ整備に巨額の費用をかけることなく、車両の自動運転を行うことができ、また、サンプリング期間の長い位置情報でも正確に軌道誤差の修正ができ、これにより車両の自動運転を行い、安全運転を支援することができる運転支援システム、運転支援方法及び運転支援プログラムを提供することである。

【課題を解決するための手段】

【0012】

上記課題を解決するため、本発明の運転支援システムは、道路ジオメトリサーバと、車両の運転を支援する運転支援装置と、道路ジオメトリサーバと運転支援装置との間の通信を行うコンピュータネットワークと、を備えた運転支援システムであって、道路ジオメトリサーバは、コンピュータネットワークとの通信を制御する通信制御手段と、道路パラメータ及び/又は道路情報を記憶する道路ジオメトリ記憶手段と、通信制御手段を介して受信した運転支援装置からの要求に基づいて、道路ジオメトリ記憶手段に記憶されている道路パラメータ及び/又は道路情報を読み出し、通信制御手段を介して運転支援装置に送る道路パラメータ処理手段と、を備え、運転支援装置は、コンピュータネットワークとの通信を制御する通信制御手段と、基本位置情報に基づいて車両の位置情報を算出する位置情報制御手段と、道路ジオメトリサーバからの道路パラメータ及び/又は道路情報と、位置情報制御手段からの位置情報に基づいて、運転支援情報を生成する運転支援情報生成手段と、を備える、ことを特徴とする。

【0013】

ここで、運転支援情報生成手段は、道路ジオメトリサーバからの道路パラメータに基づいて道路情報を生成する、ことができる。

【0014】

また、運転支援装置は、さらに、車両の状態を検出して計測値を算出する計測手段と、計測手段からの計測値に基づいて、計測情報を生成する計測情報制御手段と、を備え、運転支援装置の運転支援情報生成手段は、道路パラメータに基づいて生成した及び/又は道路ジオメトリサーバからの道路情報と、位置情報制御手段からの位置情報と、計測情報制御手段からの計測情報とに基づいて、運転支援情報を生成する、ことができる。

【0015】

ここで、前記計測手段は、車両の走行距離を累積して計測値を算出する距離累積手段と、車両の速度を計測して計測値を算出する速度センサ手段と、車両の傾きを計測して計測値を算出するジャイロセンサ手段と、車両の進行方向角度を計測して計測値を算出する角度計測手段と、を備え、計測情報制御手段は、距離累積手段からの計測値に基づいて累積距離情報を生成し、速度センサ手段からの計測値に基づいて速度情報を生成し、ジャイロセンサ手段からの計測値に基づいて回転角度情報を生成し、角度計測手段からの計測値に基づいて、方向角度情報を生成する、ことができる。

【0016】

また、運転支援装置は、要求を入力する入力手段と、道路情報又は/及び運転支援情報を表示する出力手段と、を備える、ことができる。

【0017】

また、運転支援装置は、道路情報の一部若しくは全部、及び/又は地図情報を記憶する地図記憶手段を備え、運転支援情報生成手段は、道路情報、位置情報及び地図情報に基づいて運転支援情報を生成する、ことができる。

【0018】

上述において、運転支援装置とコンピュータネットワーク間の通信は、携帯電話などの通信装置を介して行う、ことができ、道路に設けられたLCX(漏洩同軸ケーブル)を介して行う、こともできる。

【0019】

また、コンピュータネットワークは、インターネット又はイントラネットである、ようにするとよい。

【0020】

また、運転支援情報生成手段は、レーダ装置又は/及びレーザスキャン装置からの画像情報を用いて、運転支援情報を生成する、ことができる。

【0021】

また、運転支援装置は、運転支援情報生成手段で生成された運転支援情報に基づいて、車両の運転を制御する運転制御手段を備える、ことができる。

【0022】

ここで、道路情報は、走行軌道を示す仮想的デジタル走行軌道を含み、運転支援情報生成手段は、線分、円弧、クロソイド曲線等を用いて仮想的デジタル走行軌道を生成し、クロソイド曲線を用いて仮想的デジタル走行軌道の曲率緩和曲線を描く場合、クロソイド原点からの弧長のみをパラメータとした漸化式

【数5】


nは次数からクロソイド曲線の座標を求め、クロソイド原点付近での例外処理を行うことなく、クロソイド原点からクロソイド曲線を描画する、ことができる。

【0023】

ここで、運転支援情報生成手段は、漸化式のx,yの級数展開の第n項(Tx(n),Ty(n))の間の関係式

【数6】


を用いてクロソイド曲線を描画する、ようにするとよい。

【0024】

また、基本位置情報は、GPS(Global Positioning System)からの情報、磁気ネイルからの情報、及び/又はビーコンからの情報である、とするとよい。

【0025】

また、上記課題を解決するため、本発明の運転支援方法は、道路ジオメトリサーバと、車両の運転を支援する運転支援装置と、道路ジオメトリサーバと運転支援装置との間の通信を行うコンピュータネットワークと、を備えた運転支援システムにおける運転支援方法であって、(A)運転支援装置において、入力された運転支援要求情報をコンピュータネットワークを介して道路ジオメトリサーバに送信し、(B)道路ジオメトリサーバにおいて、受信した運転支援装置からの運転支援要求情報に基づいて、予め記憶されている道路パラメータ及び/又は道路情報を読み出して、コンピュータネットワークを介して運転支援装置に送信し、(C)運転支援装置において、道路ジオメトリサーバから道路パラメータを受け取った場合、当該道路パラメータに基づいて道路情報を生成し、(D)運転支援装置において、基本位置情報に基づいて車両の位置情報を算出し、(E)運転支援装置において、道路ジオメトリサーバから受け取った道路情報及び/又はステップ(C)で生成した道路情報と、位置情報とに基づいて、運転支援情報を生成する、ことを特徴とする。

【0026】

ここで、ステップ(E)は、運転支援装置において、車両の状態を計測して計測情報を生成し、道路ジオメトリサーバから受け取った道路情報及び/又はステップ(C)で生成した道路情報と、位置情報と、計測情報とに基づいて、運転支援情報を生成する、ことができる。

【0027】

また、計測情報は、累積距離情報、速度情報、車両角度情報、及び/又は車両のハンドル角度情報を含む、ことができる。

【0028】

ここで、ステップ(A)及びステップ(B)における運転支援装置とコンピュータネットワーク間の通信は、携帯電話などの通信装置、及び/又は道路に設けられたLCX(漏洩同軸ケーブル)を介して行う、ことができる。

【0029】

また、コンピュータネットワークは、インターネット又はイントラネットである、ようにするとよい。

【0030】

また、ステップ(E)は、予め準備されている地図情報と、道路ジオメトリサーバから受け取った道路情報及び/又はステップ(C)で生成した道路情報と、位置情報とに基づいて運転支援情報を生成する、ことができる。

【0031】

また、ステップ(E)は、レーダ装置又は/及びレーザスキャン装置からの画像情報を用いて、運転支援情報を生成する、ことができる。

【0032】

また、道路情報は、走行軌道を示す仮想的デジタル走行軌道を含み、ステップ(E)は、線分、円弧、クロソイド曲線等を用いて仮想的デジタル走行軌道を生成し、クロソイド曲線を用いて前記仮想的デジタル走行軌道の曲率緩和曲線を描く場合、クロソイド原点からの弧長のみをパラメータとした漸化式

【数7】


nは次数からクロソイド曲線の座標を求め、クロソイド原点付近での例外処理を行うことなく、クロソイド原点からクロソイド曲線を描画する、ことができる。

【0033】

このとき、ステップ(E)は、漸化式のx,yの級数展開の第n項(Tx(n),Ty(n))の間の関係式

【数8】


を用いてクロソイド曲線を描画する、ようにするとよい。

【0034】

また、ステップ(D)における基本位置情報は、GPS情報、磁気ネイル情報、及び/又はビーコン情報である、ことができる。

【0035】

また、上記課題を解決するため、本発明の第1の態様のプログラムは、コンピュータに車両の運転支援情報を生成して処理させるためのプログラムであって、上述した運転支援システムの機能を、コンピュータに実現させるためのプログラムとすることができる。

【0036】

また、上記課題を解決するため、本発明の第2の態様のプログラムは、コンピュータに車両の運転支援情報を生成して処理させるためのプログラムであって、上述した運転支援方法の処理を、コンピュータに実現させるためのプログラムとすることができる。

【発明の実施の形態】



【0037】

以下、本発明の運転支援システム、運転支援方法及び運転支援プログラムについて図面を参照して説明する。

【0038】

図1は、本発明の運転支援システムの実施の形態の概略を示す図である。図1において、この運転支援システムは、データ通信を行うためのコンピュータネットワーク40と、コンピュータネットワーク40に接続され道路パラメータや道路情報などを提供する道路ジオメトリサーバ10と、自動車70に設置され、道路ジオメトリサーバ10から与えられた又は道路パラメータによって算出した仮想的デジタル走行軌道(座標格子)60を含む道路情報やGPS(GlobalPositioning System)衛星50からの自動車70の位置などを算出するためのGPS情報に基づいて、自動車70の運転を支援し又は自動運転を行う運転支援装置20と、を備えている。

【0039】

ここで、道路ジオメトリサーバ10と運転支援装置20との間の通信は、コンピュータネットワーク40を介して行われ、運転支援装置20には、携帯電話などの通信装置30が接続されている。

【0040】

また、コンピュータネットワーク40は、インターネットやイントラネットを利用して構築することができる。この場合、インターネットの通信プロトコルに準拠した既存のアプリケーションやシステムを使用することができるので、低コストで本発明の運転支援システムを実現することができる。

【0041】

図1において、運転支援装置20は、道路ジオメトリサーバ10からの道路情報やGPS情報に基づいて、仮想的デジタル走行軌道60を含む道路情報を生成し、この道路情報とGPS情報から算出した位置情報や運転支援情報によって、自動車70の運転を支援して安全な運転を図り、または、自動車70の自動運転を行うことができる。

【0042】

図2は、道路ジオメトリサーバ10の具体的な構成を示す図である。図2において、道路ジオメトリサーバ10は、コンピュータネットワーク40を介して自動車70の運転支援装置20との間で通信を行う通信制御部11と、道路設計時に使用したクロソイド曲線(平面線形データ)、縦断パラボラ(縦断線形データ)、カント(横断勾配すりつけデータ)等の道路パラメータを記憶する道路ジオメトリDB(Data Base)13と、通信制御部11で受取った自動車70の運転支援装置20からの車両側情報に基づいて、道路ジオメトリDB13に記憶されている道路パラメータを処理して道路情報を生成する又は運転支援装置20に道路パラメータをそのまま送信する道路パラメータ処理部12と、を備えている。

【0043】

ここで、コンピュータネットワーク40が、インターネットやイントラネットの場合、通信制御部11は、Webページや電子メールによって情報の送受信を行うことができる。

【0044】

図3は、自動車70に設けられた運転支援装置20の具体的な構成を示す図である。図3において、運転支援装置20は、コンピュータネットワーク40に接続された携帯電話などの通信装置30を介して、道路ジオメトリサーバ10との間で通信を行う通信制御部21と、GPS衛星50からの自動車70の位置などを算出するためのGPS情報を処理するGPS制御部22と、開始地点情報や目的地情報などの運転支援要求情報を入力する入力部24a及び液晶画面などの表示装置や印刷装置などの出力部24bを有する入出力部24と、GPS制御部22で利用する地図情報や道路情報などを記憶する地図DB26と、地図DB26に記憶されているまたは通信制御部21で受取った道路パラメータ又は道路情報、GPS制御部22から受取ったGPS情報や位置情報、及び入力部24aからの運転支援要求などに基づいて、運転支援情報(ナビゲーション情報)を生成する運転支援情報生成部23と、運転支援情報生成部23で生成された運転支援情報に基づいて自動車70のアクチュエータ71などを制御して自動車の運転(走行)を支援し又は自動車70の自動運転を行う運転制御部25と、を備えている。

【0045】

図4は、本発明の運転支援システムの他の実施の形態の概略を示す図である。図4において、この運転支援システムは、データ通信を行うためのコンピュータネットワーク40と、コンピュータネットワーク40に接続され道路パラメータや道路情報などを提供する道路ジオメトリサーバ10と、自動車70に設置され、自動車70の速度情報、方向角度情報、回転角度情報、累積距離情報、道路ジオメトリサーバ10から与えられた又は道路パラメータによって算出した仮想的デジタル走行軌道(座標格子)60を含む道路情報、基準位置情報発信装置50Aからの自動車70の位置などを算出するための基準位置情報などに基づいて、自動車70の運転を支援し又は自動運転を行う運転支援装置20Aと、を備えている。

【0046】

ここで、道路ジオメトリサーバ10と運転支援装置20Aとの間の通信は、コンピュータネットワーク40を介して行われ、運転支援装置20Aには、携帯電話などの通信装置30が接続されている。

【0047】

また、コンピュータネットワーク40は、インターネットやイントラネットを利用して構築することができる。この場合、インターネットの通信プロトコルに準拠した既存のアプリケーションやシステムを使用することができるので、低コストで本発明の運転支援システムを実現することができる。

【0048】

また、基準位置情報発信装置50Aとしては、GPS(Global PositioningSystem)衛星、ビーコン、磁気ネイルなどがある。

【0049】

図4において、運転支援装置20Aは、道路ジオメトリサーバ10からの道路情報や基準位置情報発信装置50Aからの基準位置情報に基づいて、仮想的デジタル走行軌道60を含む道路情報を生成し、この道路情報と基準位置情報から算出した自動車70の位置情報や運転支援情報によって、自動車70の運転を支援して安全な運転を図り、または、自動車70の自動運転を行うことができる。また、道路ジオメトリサーバ10の具体的な構成は、前記、図2と同様である。

【0050】

図5は、自動車70に設けられた他の実施の形態の運転支援装置20Aの具体的な構成を示す図である。図5において、運転支援装置20Aは、所定期間での走行距離を累積する距離累積器81、自動車70の速度を検出する速度センサ82、自動車70の回転角(傾き)を測定するジャイロセンサ83及び自動車70の走行角度を計測する角度計測器84を備える計測装置80と、コンピュータネットワーク40に接続された携帯電話などの通信装置30を介して、道路ジオメトリサーバ10との間で通信を行う通信制御部21と、基準位置情報発信装置50Aからの自動車70の位置などを算出するための基準位置情報を受信して処理する位置情報制御部22Aと、開始地点情報や目的地情報などの運転支援要求情報を入力する入力部24a及び液晶画面などの表示装置や印刷装置などの出力部24bを有する入出力部24と、計測装置80の距離累積器81を制御して累積距離情報などの計測情報を生成する計測装置制御部である距離累積器制御部27と、計測装置80の速度センサ82、ジャイロセンサ83、角度計測器84を制御して自動車の速度情報、傾き情報(回転角度情報)、向き情報(方向角度情報)などの計測情報を生成する計測装置制御部であるセンサ制御部28と、位置情報制御部22A及び距離累積器制御部27で利用する地図情報や道路情報などを記憶する地図DB26と、地図DB26に記憶されているまたは通信制御部21で受け取った道路パラメータ又は道路情報、位置情報制御部22Aから受け取った基準位置情報、距離累積器制御部27から受け取った走行累積距離情報、センサ制御部28から受け取った速度情報、向き情報(方向角度情報)、傾き情報(回転角度情報)、及び入力部24aからの運転支援要求などに基づいて、運転支援情報(ナビゲーション情報)を生成する運転支援情報生成部23と、運転支援情報生成部23で生成された運転支援情報に基づいて自動車70のアクチュエータ71などを制御して自動車の運転(走行)を支援し又は自動車70の自動運転を行う運転制御部25と、を備えている。

【0051】

以下、図1〜図5に示した運転支援システムを利用した自動車の運転支援方法について説明する。

【0052】

図6は、運転支援システムを利用した自動車の運転支援方法を示すフローチャートである。図1〜図4において、先ず、運転者は、入力部24aから運転支援開始位置や目的地情報、自動運転要求やスピード制御要求などの運転支援要求情報などを入力する(ステップ401)。ここで、情報の入力は、道路ジオメトリサーバ10の通信制御部11から提供されるWebページに必要な情報を入力するようにしてもよく、または、運転支援装置20又は20Aに予め情報入力画面を準備してもよい。また、通信装置30から直接運転支援要求情報などを入力するようにしてもよい。

【0053】

通信制御部21は、入力された運転支援要求情報に基づいて、通信装置30とコンピュータネットワーク40を介して又は通信装置30から直接に車両側情報を送信し、道路ジオメトリサーバ10に対して道路情報を要求する(ステップ402)。

【0054】

道路ジオメトリサーバ10の通信制御部11は、自動車70側からの道路情報の要求を受信して道路パラメータ処理部12に渡す(ステップ403)。道路パラメータ処理部12は、自動車70側からの道路情報の要求に応じて、要求された経路に関わる道路パラメータを道路ジオメトリDB13から読み出す(ステップ404)。そして、道路ジオメトリDB13から読出した道路パラメータを通信制御部11を介して道路情報として自動車70側の運転支援装置20又は20Aに送信する(ステップ405)。

【0055】

図7〜図10は、道路ジオメトリDB13から読出した道路パラメータの具体例を示す。ここで、図7は、道路の平面線形データを示す。図8は、道路の幅員データを示す。図9は、道路の縦断線形データを示す。図10は、横断勾配すりつけデータ(カント)を示す。

【0056】

自動車70の運転支援装置20又は20Aの通信制御部21は、コンピュータネットワーク40及び通信装置30を介して道路情報(道路パラメータ)を受信する(ステップ406)。

【0057】

運転支援情報生成部23は、受信した道路パラメータ、及び運転支援要求情報に含まれる入力部24aから入力された又は予め設定されたピッチ情報に基づいて、仮想的デジタル走行軌道(座標格子)60を作成して運転支援情報を生成する(ステップ407)。これにより、所定の距離の範囲及び指定のピッチ、例えば、数十[km]単位の道路を5[m]ピッチで、道路路面の形状定義ができ、道路表面を精密に算出することができる。以下、仮想的デジタル走行軌道60を含む運転支援情報の生成処理について詳述する。

【0058】

図11は、仮想的デジタル走行軌道60を含む道路情報の生成処理を示す図である。また、図12は、仮想的デジタル走行軌道60を含む道路情報の生成処理(ステップ407)の詳細を示すフローチャートである。図7〜図12を参照して、運転支援情報生成部23は、図7に示された平面線形データに基づいて、図11(A)の平面線形図を作成する(ステップ407−1)。

【0059】

図11(A)において、クロソイドパラメータA1、A2、A3、A4に基づいてクロソイド曲線、円弧半径R1、R2及び円弧長C1、C2に基づいて円弧、直線長S1に基づいて直線を生成する。

【0060】

ここで、クロソイド曲線は、クロソイド原点からの弧長Ai(i=1、2、3、4)のみをパラメータとした漸化式

【数9】


nは次数からクロソイド曲線の座標を求め、クロソイド原点付近での例外処理を行うことなく、クロソイド原点からクロソイド曲線を描画する。

【0061】

すなわち、上述の漸化式「数9」のxi,yiの級数展開の第n項(Txi(n),Tyi(n))の間の関係式

【数10】


を用いてクロソイド曲線を描画することができる。

【0062】

以上のようにして、図7に示した道路パラメータの平面線形データによって平面線形図を作成することができる。ここで、クロソイド曲線の代わりに、一般的なスパイラルカーブ(パラメタライズドカーブ)を使用してもよい。

【0063】

次に、平面線形図と図8に示す道路の幅員データによって、図11(B)に示すような道路幅員図を作成する(ステップ407−2)。ここで、車線数が複数の場合には、それぞれの車線に内側(道路中心)又は外側から番号を付して管理するとよい。

【0064】

図13は、仮想的デジタル走行軌道(座標格子)60を示す図である。ステップ407−2で作成された道路幅員図に基づいて、道路中心線1110、内側走行線1112、外側走行線1113及び走行中心線1111を求める。そして、入力部24aから入力された又は予め指定されたピッチ(図13においては、ピッチ=5[m])で、道路中心線1110に対して垂直に交わる線を外側走行線1113から道路中心線1110の間に作成する。これによって、仮想的デジタル走行軌道(座標格子)60を生成することができる(ステップ407−3)。ここで、車線が複数の場合には、隣り合う車線の外側車線(又は内側車線)と内側車線(又は外側車線)が同一の線となる。

【0065】

図14は、仮想的デジタル走行軌道(座標格子)60の使用形態を示す図である。図14に示すように仮想的デジタル走行軌道(座標格子)60の形態としては、(A)3次元単点、(B)3次元3角パッチ、及び(C)3次元ベジェ曲面又はNURBS(Non−Uniform Rational B−Spline)曲面の何れかを、例えば、運転支援装置20又は20Aの性能に基づいて、任意に選択して使用することができる。

【0066】

次に、道路の実際の形状を特定するために、図9に示した縦断線形データによって図11(C)に示すような縦断線形図を作成する(ステップ407−4)。ここで、VCL(Vertical CurveLength)2、3は、パラボラ曲線で作成することができる。このとき、パラボラ曲線の代わりに任意の曲線を使用してもよい。

【0067】

次に、図10に示したような横断勾配すりつけデータ(カント)に基づいて、図11(D)に示すような横断勾配すりつけ図(左右の車道横断勾配[%])を作成する(ステップ407−5)。

【0068】

図15は、横断勾配すりつけ図における道路の標高値の算出方法を示す図である。ここで、道路の標高値(Z値)は図15に示すように、

【数11】


によって求めることができる。

【0069】

運転支援装置20(図3)の場合、このようにして求めた、道路情報と、地図DB26に記憶されている地図情報と、GPS制御部22で算出された位置情報に基づいて、運転支援情報を生成する(ステップ407−6)。

【0070】

また、他の実施の形態の運転支援装置20A(図5)の場合、このようにして求めた、道路情報と、地図DB26に記憶されている地図情報と、位置情報制御部22Aで算出された基準位置情報に基づいて、基本運転支援情報を生成する。このとき、センサ制御部28からの向き情報(方向角度情報)及び傾き情報(回転角度情報)に基づいて、軌道から外れた車の位置ずれを補正するための補正値を算出し、基本運転支援情報に適用する。

【0071】

次に、計測装置80の距離累積器81による計測値によって、距離累積器制御部27は、道路の追加距離である距離程(累積距離情報)を求める。そして、運転支援情報生成部23は、この距離程(累積距離情報)から地図DB26のクロソイド曲線や円弧部のパラメータを検索し、このパラメータとセンサ制御部28からの速度情報に基づいて、自動車70のハンドルの回転角速度(w)を求める。

【0072】

このハンドルの回転角速度(w)は、以下のようにして求めることができる。 <直線区間> w=0 ハンドル固定 <円弧区間> w=v/R=一定 ハンドル固定 但し、vは自動車70の速度、Rは円弧半径 <クロソイド区間> w=Lv/A2=v/R ハンドルを一定角速度(w)で回転する 但し、Lは曲線長、Aはクロソイドパラメータ、vは自動車70の速度、Rは円弧半径

【0073】

運転支援装置20Aの運転支援情報生成部23は、このハンドルの回転角速度(w)と基本運転支援情報とも基づいて、運転支援情報を生成する(ステップ407−6)。

【0074】

以上のように、運転支援装置20又は20Aの運転支援情報生成部23によって生成された運転支援情報によって、運転の支援や自動運転を行うことができる。ここで、道路情報を予め道路ジオメトリサーバ10の道路ジオメトリDB13に記憶しておき、自動車70の道路支援装置20又は20Aで道路情報を生成せずに道路ジオメトリサーバ10から受信して運転支援情報を生成するようにしてもよい。また、道路支援装置20の地図DB26に予め道路パラメータを記憶しておき、これを使用して、道路情報を生成するようにしてもよい。

【0075】

このようにして生成された運転支援情報に基づいて、運転支援情報生成部23は、出力部24bに運転支援用の画像や音声などを出力して運転支援を行う。また、運転支援情報を運転制御部25に渡し、運転制御部25は、運転支援情報に基づいて、アクチュエータ71やハンドル(図示せず)等を操作して、次の測位点(基準位置情報獲得地点)まで自立走行し、自動車70の自動運転を行うことができる(ステップ408)。以下、運転支援情報による具体的な運転支援、自動運転の例について説明する。

【0076】

図16〜図23は、ステップ408の運転支援情報を活用した具体的な例を示す。

【0077】

図16は、出力部24bの表示装置に示される画像である。図16に示すように、運転支援情報に基づいて、進行先の見えない経路の道路状態を表示装置に表示したり、また、音声などで通知したりすることができる。

【0078】

図17は、出力部24bの表示装置に示される画像である。図17に示すように、運転支援情報に基づいて、障害物(橋脚1510)などを透明化して透かし、進行先の走行道路1511への合流道路1513の存在や、走行道路1511上の歩道橋1512の全体図などを表示することができる。

【0079】

図18は、実際の走行道路の景観を示す画像である。地図DB26に記憶されている地図情報等によって、実際の景観に近づけた画像を表示することができる。

【0080】

図19は、自動車にレーダカメラを設置した場合に表示される画像を示す。図19に示すように、例えば、実際の道路上に落下物(障害物)が落ちていた場合、自動車に設置されたレーダカメラ(4bの画面上に表示したり、音声で通知したりすることができる。

【0081】

図20は、自動車70の姿勢計算を示す図である。図20に示すように、自動車70に所定の間隔で2つのGPSアンテナ1810、1820を搭載し、GPS制御部22で2つのGPSアンテナ1810、1820の位置を算出し、自動車70の走行中心線1111からの垂直距離(横ずれ量)Dや、走行中心線1111との変位角αを道路情報として求めることができる。これにより、図20に示すような自動車70の姿勢を検出することができ、出力部24bに画像として表示し、音声として通知することができる。ここで、GPSアンテナが1つの場合には、自動車の走行スピードに基づいて、所定時間間隔で検出した位置情報によって同様の効果を得ることができる。

【0082】

図21は、道路と自動車の姿勢の関係を示す図である。図21に示すように、道路情報の変位角αに基づいてヨーイングΨ、縦断勾配(登坂勾配)に基づいてピッチングθs、路面横断勾配(カント)に基づいてローリングφsなどの自動車運動計算用のデータを求めることができ、これを運転制御部25で利用することができる。

【0083】

図22は、実際の自動車の運転席から立体視できる仮想的デジタル走行軌道60を示す。図22に示すように、この仮想的デジタル走行軌道60は、図7〜図10で求めた数値に基づいて、表示することができる。

【0084】

図7〜図10の数値データは、設計中の道路や開発中の自動車からも仮想的に求めることができ、また、逆に図7〜図10の数値データに基づいて、道路の設計や自動車の開発などを行うことができる。即ち、図7〜図10の数値データは、実物の道路と実物の自動車の組合せの値として利用するほか、実物の道路と開発中の自動車の組合せの値、設計中の道路と実物の自動車の組合せの値、設計中の道路と開発中の自動車の組合せの値として利用することができる。このようにして、図7〜図10の数値データは、道路や自動車の設計や開発に際して、自動運転や安全運転の基本データとして活用することができる。

【0085】

また、使用された道路は、経年変化で沈下や変形が発生する。この場合、図7〜図10に示した道路パラメータの各データに、経年変化による変形量を与えて補正値とし、この補正値を使用して運転支援情報を生成するようにするとよい。この変形量の入手方法としては、路面のレーザスキャンによる測量(レーザスキャン装置によって行う)、路面形状スキャナを積載した車両による測量、GPS装置を掲載した車両による測量などがある。

【0086】

図23は、座標値を有する路上施設の表示画面を示す図である。図23に示すような道路施設の道路標識2110やレーンマーク2140などに座標値の単点(x2,y2,z2)2130や座標(x1,y1,z1)2120、寸法値(A1,B1,H1)などを持たせて、道路ジオメトリDB13や地図DB26に記憶しておく。そして、運転支援情報の生成の際にこれらの座標値や寸法値を用いることによって、図23に示すような画像を提供することができる。なお、図23の画像と図22の画像は、同一地点での画像である。即ち、図22は、運転支援情報の生成の際にこれらの座標値や寸法値を用いなかった場合の画像であり、図23は、運転支援情報の生成の際にこれらの座標値や寸法値を用いた場合の画像である。

【0087】

図23に示したような画像表示が可能な運転支援情報を生成しておけば、自動車70にレーダ装置や、レーザスキャン装置などを搭載しておき、これらから得られる実際の道路状況の情報を運転支援情報生成部23で処理することにより、登録されている道路情報から得られる画像の情報と、実際の道路状況の情報とを容易に比較することができ、例えば、障害物や路面の変形などを的確に検出することができる。これにより、より高度な運転の支援や自動運転が可能となる。また、近年着手されている電子国土(Syber Space)の建設にも役立てることができる。

【0088】

図24は、本発明の運転支援システムの他の実施の形態の概略を示す図である。図24において、この運転支援システムは、データ通信を行うためのコンピュータネットワーク40と、コンピュータネットワーク40に接続され道路パラメータや道路情報などを提供する道路ジオメトリサーバ10と、自動車70に設置され、道路ジオメトリサーバ10から与えられた又は道路パラメータによって算出した仮想的デジタル走行軌道(座標格子)60を含む道路情報やGPS衛星50からの自動車70の位置などを算出するためのGPS情報に基づいて、自動車70の運転を支援し又は自動運転を行う運転支援装置20’と、道路脇に設けられ、自動車70の運転支援装置20’との間で路車間通信を行うLCX(漏洩同軸ケーブル)2220と、LCX(漏洩同軸ケーブル)2220及びコンピュータネットワーク40に接続され、LCX(漏洩同軸ケーブル)2220やコンピュータネットワーク40からの情報を収集してそれらの情報をLCX(漏洩同軸ケーブル)2220やコンピュータネットワーク40を介して配信する路側情報収集装置2210と、を備えている。

【0089】

道路ジオメトリサーバ10と運転支援装置20’との間の通信は、コンピュータネットワーク40、路側情報収集装置2210、及びLCX(漏洩同軸ケーブル)2220を介して行われる。すなわち、路側情報収集装置2210及びLCX(漏洩同軸ケーブル)2220は、図1で示したシステムの携帯電話などの通信装置30とほぼ同様の機能を果たすことになる。この路側情報収集装置2210及びLCX(漏洩同軸ケーブル)2220の利点は、通信品質が高品質である点である。

【0090】

図24において、運転支援装置20’は、道路ジオメトリサーバ10からの道路情報やGPS情報に基づいて、仮想的デジタル走行軌道60を含む道路情報を生成し、この道路情報とGPS情報から算出した位置情報や運転支援情報によって、自動車70の運転を支援して安全な運転を図り、または、自動車70の自動運転を行うことができる。

【0091】

また、自動車70にレーダ装置やレーザスキャン装置などが搭載されている場合、これらから得られる実際の道路状況の情報をLCX(漏洩同軸ケーブル)2220に送信し、走行中の自動車からの情報を路側情報収集装置2210に収集して、これらの情報、例えば、障害物や事故などの情報を他の自動車にタイムリーに通知することができる。

【0092】

図25は、道路ジオメトリサーバ10の具体的な構成を示す図である。図25の構成は、図2に示した道路ジオメトリサーバ10の構成と同様の構成にすることができる。すなわち、情報の通信はコンピュータネットワーク40を介して行うため、自動車70に搭載されている運転支援装置20、20’との間での通信媒体に依存しない。したがって、自動車側、道路側の通信インフラストラクチャに依らずに道路ジオメトリサーバ10を構築することができるため、コストの増加を抑えることができる。

【0093】

図26は、自動車70に設けられた運転支援装置20’の具体的な構成を示す図である。図26において、図3に示した運転支援装置20との相違点は、通信制御部21’が、情報の通信をLCX(漏洩同軸ケーブル)2220との間で行う点である。

【0094】

図27は、本発明の運転支援システムの他の実施の形態の概略を示す図である。図27において、この運転支援システムは、データ通信を行うためのコンピュータネットワーク40と、コンピュータネットワーク40に接続され道路パラメータや道路情報などを提供する道路ジオメトリサーバ10と、自動車70に設置され、道路ジオメトリサーバ10から与えられた又は道路パラメータによって算出した仮想的デジタル走行軌道(座標格子)60を含む道路情報や基準位置情報発信装置50Aからの自動車70の位置などを算出するための基準位置情報に基づいて、自動車70の運転を支援し又は自動運転を行う運転支援装置20A’と、道路脇に設けられ、自動車70の運転支援装置20A’との間で路車間通信を行うLCX(漏洩同軸ケーブル)2220と、LCX(漏洩同軸ケーブル)2220及びコンピュータネットワーク40に接続され、LCX(漏洩同軸ケーブル)2220やコンピュータネットワーク40からの情報を収集してそれらの情報をLCX(漏洩同軸ケーブル)2220やコンピュータネットワーク40を介して配信する路側情報収集装置2210と、を備えている。

【0095】

また、道路ジオメトリサーバ10と運転支援装置20A’との間の通信は、前述の道路ジオメトリサーバ10と運転支援装置20’間の通信と同様である。

【0096】

図27において、運転支援装置20A’は、道路ジオメトリサーバ10からの道路情報や基準位置情報に基づいて、仮想的デジタル走行軌道60を含む道路情報を生成し、この道路情報と基準位置情報から算出した位置情報や運転支援情報によって、自動車70の運転を支援して安全な運転を図り、または、自動車70の自動運転を行うことができる。また、自動車70にレーダ装置やレーザスキャン装置などが搭載されている場合も前述と同様である。また、道路ジオメトリサーバ10の具体的な構成は、前記、図25と同様である。

【0097】

図28は、自動車70に設けられた運転支援装置20A’の具体的な構成を示す図である。図28において、図5に示した運転支援装置20Aとの相違点は、通信制御部21’が、情報の通信をLCX(漏洩同軸ケーブル)2220との間で行う点である。

【0098】

以上のように、図24〜図28で示した運転支援システムによっても、図1〜図5で示したシステムと同様の機能と効果を得ることができる。

【0099】

また、自動車側の運転支援装置に図3又は図5に示した通信制御部21と図26又は図28に示した通信制御部21’の両方機能を備え、情報の通信を通信装置30及びLCX(漏洩同軸ケーブル)2220の両方と行うことができるようにすることができる。

【0100】

以上、本発明の運転支援システム及び運転支援方法について説明したが、道路ジオメトリサーバ10に、仮想的デジタル走行軌道60を予め記憶しているDBを設けることができる。このDBは、道路ジオメトリDB13であってもよく、仮想的デジタル走行軌道60を記憶する別のDBであってもよい。

【0101】

このように、道路ジオメトリサーバ10に、仮想的デジタル走行軌道60を予め記憶することにより、自動車側の運転支援装置の処理能力が低い場合でも、仮想的デジタル走行軌道60を自動車側の運転支援装置で算出せずに、道路ジオメトリサーバ10から直接獲得することができるので、低い処理能力の運転支援装置でも充分な運転支援情報を生成することができる。

【0102】

さらに、CD−ROM、DVD−ROM、USB−ROMなどの記録媒体に道路路面の幾何パラメータ(道路情報)と仮想的デジタル走行軌道60を記録しておき、この記録媒体を処理する運転支援装置とGPS装置のみでスタンドアロンに運転の支援や自動運転ができるようになる。

【0103】

また、上述した本発明の運転支援システムの機能、及び運転支援方法の処理をコンピュータに実行させるためのプログラムとすることができる

【0104】

上述した本発明の運転支援システムの機能、運転支援方法及びプログラムによれば、自動変速などが可能で、自動運転を容易に行うことができる。

【0105】

また、自動車のスピンや車線逸脱を検出し、交差点の道路状況を表示することができるので、スピンや車線逸脱を防止し、交差点での事故の発生を未然に防ぐことができる。

【0106】

また、自動車に搭載される運転支援装置をローコストで提供することができ、レーンマーカや磁気ネイル等の高価なインフラストラクチャ整備の費用を必要としない。

【0107】

さらに、運転支援情報により、運転者のミスを警告し、濃霧、降雪などの自然環境における運転をより安全にし、高齢者や身障者の運転を支援し、除雪時のアスカーブやガードレールの破損などを防止することができる。

【0108】

さらに、測定装置からの速度情報、方向角度情報、回転角度情報を利用することにより、基本位置情報獲得時点での位置ずれを修正することができるため、基本位置情報の獲得の頻度をある程度少なくすることができる。例えば、GPS測位であれば、測位間隔を5秒以上にすることができ、システムのパフォーマンスによっては、10秒以上にすることもできる。また、磁気ネイルでの測位であれば、磁気ネイルの敷設間隔を100m以上にすることができ、システムのパフォーマンスによっては、200m以上にすることもできる。

【0109】

以上、本発明の運転支援システムの機能、運転支援方法及びプログラムを説明したが、本発明は一般的な自動車のみならず、他の交通機関、例えば、バス、鉄道車両などにも容易に適用することができる。

【発明の効果】

【0110】

以上述べた通り、本発明の運転支援システムの機能、運転支援方法及びプログラムによれば、インフラストラクチャ整備に巨額の費用をかけることなく、車両の自動運転を行うことができ、また、サンプリング期間の長い位置情報でも正確に軌道誤差の修正ができ、これにより車両の自動運転を行い、安全運転を支援することができるようになった。