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サーベイヤーズ21講座

第4講

2010年7月27日

<<第4講>> 改正測量法と基準面

02年度から改正測量法が施行されました。旧法と最も異なるところは、第11条に定められた“距離及び面積の基準面”です。旧法では“水平面”であり、改正測量法では“回転楕円体面”となっています。今回は、測量で使う基準面について考察してみましょう。
 
投影法と展開法
 
測量で得られた角や距離などの観測値は、準拠楕円体面で処理されなければなりません。いわゆる「投影法」処理です。ジオイド高及び鉛直線偏差が分からない時代、ジオイド面を楕円体面にみたてて処理してきました。観測値をジオイド面に展開することから、「展開法」と呼ばれているもので、この展開法は略式処理です。 
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改正測量法施行以前は、展開法処理でした。改正測量法により投影法処理の法律的根拠がつくられ、正規の測量計算処理ができるようになりました。
 
距離の傾斜補正
 
旧法ではジオイドが基準面であったから、斜距離の傾斜補正は、次の2種類の式を使うことができました。 
 
 

04-02.jpg (1)
(2)
ただし、Vは高度角です。

 
改正測量法下では (1) 式はそのままでは使えません。鉛直線偏差の補正が必要なので鉛直線偏差が分からない場合は、(2)式の標高 H の代わりに楕円体高 h を入れたものを使はなければなりません。 
 04-03.jpg
 
 
国土地理院(2003),測地成果2000構築概要,31頁 によれば、“公共測量のように測量範囲が狭い場合、三角点間の相対座標への影響は小さい。”と鉛直線偏差の影響を無視できるかのように評価しています。鉛直線偏差の影響は2点間の標高差⊿Hに関係し、座標への影響は⊿Hsinε となります。東京付近の鉛直線偏差は20秒を超えることもあり、標高差が100mあれば、座標への影響は1cmとなります。
誤差を1cm程度を期待している東京都の公共基準点の計算処理では、鉛直線偏差の影響を無視できないでしょう。東京都の場合、先進国のように投影法処理に基づく正確な基準点測量作業規程をつくらなければならないかもしれません。