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空間データの品質

第3回 差分抽出

2010年9月13日

差分抽出はなぜ必要か

主題図のGISデータ更新は、現況の変化を忠実にGISデータに反映させることが目的です。したがって、次の2つを満足させることが必要であると考えています。

  1. 現況の変化を正確にGISデータに反映させていること。
  2. 受託の責任範囲である作業範囲を明確にすること。

GISデータの更新は、現状の変化を忠実に反映させる作業ですから、完全性の検査を厳密に行う必要があると考えています。しかし、主題図のGISデータの完全性は、そのほとんどが現況の変化の地物等の真値が分からないことから、取得データの抜取検査で行われています。このため、完全性は、確率の問題として曖昧な問題を抱えています。但し、現状の変化数が把握している例外として、完全性を最も重視する固定資産では、別に地番、家屋の課税マスターがありますので、真値とするデータがあります。比較する真値があれば、完全性の検査を自動化することができます。

資産税では、家屋の異動判読に前年の画像と今年度の画像を比較して、色の変化を差分抽出することによって、家屋の異動を判別することを手助けする製品等もあります。しかし、残念ながら、現時点では、真値が分からない地物の品質の完全性を担保するための自動化は、今後の技術開発を待たなければならないようです

一方、受託の責任範囲である作業範囲を明確にする目的は次の項目があります。

  1. 加除訂正の内容を明らかにする。
  2. 契約の条件である加除訂正した範囲の品質を担保する。

加除訂正の内容を明らかにするとは、一般産業界で行われている修理や、改良で、調子が悪いので、良くするため(測量では現況の変化、誤差等に相当)、モジュールの追加、部品交換、修理等を行い、その明細はかくかくです、に相当します。主題図のGISデータが製造物ですから、他の産業界のように、加除訂正の明細を提出することが計画機関の信頼を勝ち得るためにも加除訂正の明細が必要ではないかと考えています。

次に、契約条件である加除訂正した範囲の品質担保をするためには、加除訂正した、削除、訂正、追加の地物抽出し、そのデータが品質要求を満足することを保証する必要があります。そこで、このような目的を達成するため、差分抽出ツールが必要であると考えています。

作業機関の皆様も、契約範囲外の誤差(エラー)を直せといわれる理不尽な要求から解放されたいと思いませんか。