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よくわかる測地成果2000

第3回 第5項

2010年7月29日

第5項 「受注・マニュアル」型から「提案・応用」型へ
 
 千葉工業大学の小泉先生の司会による「社員教育」の議論が30日午後行われました。この議論の背景にあるのが、受注型とマニュアル依存型の従来制度の反省にあると思います。最初に述べましたように、情報通信技術としての測量業へと質的に変化が要求され、提案型による事業の創出が必要になり、それを実現する柔軟な思考をもった応用型の人材育成が強く求められているのではないでしょうか。
例えば、昨年11月に定められた「測地成果2000導入に伴う座標変換対応マニュアル(案)」に基づいて品質のよい座標変換を行うためには、プロセスに柔軟性があるため、測量士の専門知識が要求されます。このことは、7月に既に述べたところです。

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 日本の測量教育の量的な役割は、全国に16校ある測量専門学校です。少子化と不況の影響で、測量専門学校の生徒数は、1996年の3731人から2000年の2309人へと4年間に1422人も減少しています。これら測量専門学校の入学に際しては、入学試験を行いますが、受験者のほとんど全員が合格するとのことで、事実上無試験状態のようです。一方最近の新聞紙上から、有名大学でも四則演算も満足にできない学生もいるそうですから、こうした状況では四則演算も満足にできない測量士が誕生する可能性もでてきています。
3年前の「社内教育」において、小泉先生は民間測量会社の社内教育に関するアンケート結果を報告しました。回収率50%のなかで、回答をよせた149企業の約70%の企業は、何らかの研修を実施しています。しかしそこでは、①時間がとれない②講師の選定③研修内容、の社内研修の3大障害が報告されました。この3年間に測量業の環境は大きく縮小しています。時間がとれないなどの困難さを言い訳にするのでなく、障害を乗り越えて社内研修を実現する経営者の決意、それが決定的役割を果たすのではないか、一段と厳しい経営状況のなかで、経営者の姿勢の大切さを今回の討論のなかで強く感じました。