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よくわかる測地成果2000

第3回 第4項

2010年7月29日

第4項 測量成果の品質管理
 
 測量成果の品質管理については、公共測量作業規程などを例に議論がなされました。現在の公共測量作業規程などは、使用機器,観測方法,成果の記載フォーマットなどが事細かに定められています。ほとんど測量者の創意工夫の入る余地がないし、また、新技術導入の余地もありません。例えば、筆者は5年以上昔に、TSとGPS観測値を結合処理する3次元網平均を開発しました。しかし、商品化はしておりません。つまり、作業規程に異種観測値の結合処理(combined adjustment)に関する定めがないため、商品化しても使用者が現れないしそして売れないからです。
現在は測量作業のプロセス(行程)すべてが事細かに決められていて、人件費などの単価も定められています。その結果、受注金額は誰が積算してもほとんど同じ額になります。こうした状況下での業者間の競争は、単なる低価格競争になり、業者の技術開発競争が起こり得ない状況になってきています。国土地理院のHPに示された契約情報をみれば、どこの会社がダンピングしているか一目瞭然です。

件名 1/50000数値地形図修正編集作業(全国1)
入札日 平成12年6月7日 (単位:円)

 

業者名 第1回 摘要
太平洋航業(株) 7,500,000  
三和航測(株) 6,300,000  
北海道地図(株) 6,800,000  
(株)共栄地図 4,300,000  
緑川地図印刷(株) 4,240,000  
(株)パスコ 6,900,000  
(株)中庭測量コンサルタント 8,500,000  
日測・技研・大和共同企業体 8,700,000  
カート・日成共同企業体 8,000,000  
国際航業(株) 7,000,000  
○×△(株) 2,480,000 落札

国土地理院HPより

こうした閉塞した制度は、改められる傾向になってきています。建設省の規制緩和推進3カ年計画においては、16事項130項目が規制緩和の対象とされています。そのうち、測量に関する規制については、「新技術の導入を促進するため、プロセスに柔軟性を持たせ、測量成果の品質確保に事業者がより責任を持つよう…所用の措置の検討を行う。」とされています。すなわち、「プロセス管理」から結果を重視する「プロダクト管理」に比重が強まる流れができつつあります。
そのような流れに必要なのが、「人材」であると思います。